コロナ感染が拡大した上海ではレストランの検査結果確認義務が廃止。さらなる規制緩和への期待から、香港市場は3日ぶり反発 (画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 19,450.23 pt (+3.38%)
中国本土株指数 6,666.77 pt (+3.63%)
レッドチップ指数 3,582.44 pt (+1.50%)

売買代金1,606億9百万HK$(前日2,074億2万HK$)

7日の新規感染者は11月末のピークから半減

中国では立て続けの緩和策の発表が相次いでいる。8日、上海ではレストランや娯楽施設で義務づけられていた新型コロナウイルスの検査結果の確認について、9日から不要とすることが発表された。

 

また、前日催された、国国務院による新型コロナウイルス対策の制限措置を緩和する10項目の発表に続いて、コロナ対策に対する記者会見を連日で開催した。

 

出入国の規制見直しなどに関する追加の緩和策についての言及はなかったが、近いうちに防疫対策を一段と最適化する当局の急ピッチな見直しが、一層加速するのではと期待が高まっている。

 

行政地区ごとのPCR検査が撤廃されたことで、本土の新規感染者の拡大が落ち着きをみせ始めていることも要因である。7日の新たな感染者(無症状者含む)は21,165人と11月末のピークから半減した。
 

 

今後の一層の緩和は、新規感染が拡大するとの懸念も強まっている。当局は医薬品需要を保障するため、新型コロナの症状に効果があると噂される解熱剤や風邪薬などの非処方医薬品について、購入の制限を設けない新方針を示すなど対応の変化がみられる。

 

中国は2年半におよぶコロナ戦略からの脱却をはかり、より経済にシフトした方向に進むべき姿勢を示している。

香港市場は3日ぶりに大幅反発

8日の香港市場は中国本土の経済再開が期待される動きとなった。香港当局でも明日から新型コロナウイルス感染者および濃厚接触者の隔離期間を7日から5日に短縮すると発表された。

 

屋外でのマスク着用の義務が撤廃されるのでは?という憶測は今回の会見では触れられなかったが、厳しいコロナ規制を大幅に緩和する方針がマーケットにとってポジティブに働いた。

 

ハンセン指数は寄り付き後、終日ベースで上げ幅を拡大しサポートラインとなる19,000ポイントを回復、前日比3.38%高の大幅高となった。前日の米株安やアジア市場が軟調な動きで取引されるなか、他市場を大きくアウトパフォームする展開が続いている。

ハンセンテック指数(ハイテク株)は3ヵ月ぶりの高値

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は6.64%高と約3ヵ月ぶりの高値を付けた。動画配信のビリビリ(9626)は22.0%高、ソフトウエア開発の明源雲集団(0909)は15.1%高、高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は11.3%高、動画投稿の快手(1024)は11.1%高だった。

 

医薬品需要を受けてオンライン医療サービスが大幅高。阿里健康 (0241) は16.1%、平安健康医療科技(1833)は13.3%高、京東健康(6618)は12.2%高と急反発が続く。

 

経済再開銘柄は引き続き買いが先行。大手カジノの永利澳門(1128)は22.4%高、新濠国際発展(0200)は15.8%高、MGMチャイナ(2282)は12.8%高。オンライン予約サービスの同程旅行(0780)は9.8%高、トリップドットコム(9961)は5.3%高。航空関連株やレストラン、レジャー関連株が買われた。

 

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.07%安の3,197.35、CSI300は同0.02%高の3,959.18で引けた。香港市場同様に経済再開銘柄を中心に買われたが、両指数は前日終値で一進一退の動きとなった。

 

ハンセン指数が昨日大きく下げていたことで、香港市場は買い戻しが顕著に目立った半面、本土株市場の動きは更なる規制緩和の発表期待を前に乏しい展開となった。
 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

 

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    Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者 国際金融ストラテジスト <在香港>

    京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

    シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG 銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。
    2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFC CE No. BIS009)
    世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。

    ● 個人公式サイト
     「HASEKENHK.com」(https://hasekenhk.com/)

    著者紹介

    連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」

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