中国、スリランカの問題解決に協力的な姿勢(?)
中国の高官は、国際通貨基金(IMF)のような多国籍機関やその他国々が、スリランカの債務負担を軽減するために北京と協力し、債務再編の保証には至らないまでも、建設的な役割を果たすことを希望すると表明した。
中国外交部の毛寧外交・報道官は、12月5日、「海外メディアでも報道されているように、中国はスリランカの困難と課題について非常に注視している」と述べた。「IMFのチームは今週、IMFが救済交渉をしているスリランカを含む国々の債務再編をより迅速に進めるために、中国を訪れる方針だ」というメディアの報道に関する質問に答えたものである。
寧氏は「スリランカの債務問題について、私たちは金融機関がこの問題を適切に解決する方法を模索することを支持している点について強調したい」と話した。
また、「これまで中国は、IMFやその他の国際経済金融機関と長年にわたって健全な協力関係を築いてきた。関連国や国際金融機関が中国と協力することで、スリランカが現在の困難を克服し、債務負担が軽減され、持続可能な状態を実現できるよう、我々は建設的な役割を果たし続けることを希望する」と付け加えた。
一方で寧氏は、IMFの拡大信用供与ファシリティ(EFF)※の前提条件である債務再編については言及を避けた。
※拡大信用供与ファシリティ(EFF):IMFによる非譲渡的融資制度の1つで、構造的問題から生じる慢性的な国際収支問題を抱える国を対象とした融資制度のこと。
中国は真の友人か?
あるデータによると、スリランカの公的対外債務の5分の1近くが中国によって保有されているという。この大国は、スリランカが困っているときには寛大で、米、薬、その他物資等必要なものを援助してきた。中国からコロンボ港に最近到着したのは、20億スリランカ・ルピー(541万9,100米ドル)相当の必須医薬品と医療用品で、11月29日に配達されている。
しかし、批評家は「中国はスリランカが本当に必要としていること、つまり『未払い債務の再編成に合意すること』以外はすべて行っている」と言う。少なくともスリランカの野党議員の一部は、中国に債務再編に同意するよう要求している。
タミル国民連合(TNA)議員のシャナキヤン・ラサマニカム氏は、「未曾有の危機に見舞われた島国(スリランカ)は、中国が債務再編に無関心であることを理由に北京の動向に反発していた。
しかし最近、『中国よ、帰れ』という抗議運動が国内で起こり、親中派であり独裁的だったスリランカ前大統領を今年7月に追放した際の『ゴータ、帰れ』(ゴータ:ゴーターバヤ・ラージャパクサ前大統領の略称)抗議のときと同様なことが起こっている」と述べた。
スリランカは、20兆米ドル近い経済規模を持つ中国に74億米ドルもの借金があり、中国が真の友人であるならば、この借金を帳消しにするか、少なくともその再構築を支援することに同意するべきだろう、と議員たちは12月2日に国会で発言した。
コロンボは、スリランカの債権者との間で進行中の再建協議の状況について、よく言えば曖昧であり、野党議員やその他の人々は、驚くほど遅れていると思われる現状に懸念を表明している。ラサマニカム氏らは、スリランカ最大の債権国である中国が、スリランカが足踏み状態にある原因をつくっていると主張している。