仕事も仕事以外も人生は60歳からが面白い
▼苦労してでもやった方が良いこと
髙橋:ありがとうございます。次に、定年後に起業や独立する場合のことをお聞きします。再雇用と違って大きく環境が変わり、やはり最初は苦労すると考えておいた方がいいのでしょうか?
大江:苦労するかしないかで言えば、間違いなく苦労すると思いますね。ただ、苦労してもそれを上回るだけの楽しさがあることも事実です。例えば、テニス部やサッカー部に入ってる人が練習でグランドを走るのはしんどいですよね。
でもそれをやると足腰が強くなって、いいプレーができ、試合に勝てるからやるわけでしょう。テニスやサッカーが好きだからこそ辛い練習でもするわけです。それと同じなんですよ。
そして起業すると苦労するんではないかと、みなさんリスクを必要以上に気にするんですけれども、定年後の起業っていうのはリスクなんかないんです。だって最低限の生活は年金があるわけですから、どんなことがあっても食べていけなくなることはないんですよ。
ただし借金をした場合は違います。例えば何か事業を大きくするために銀行からお金を借りたり、あるいは人を雇ったり規模を大きくしようとしたり、そういう場合はリスクがありますよ。だけど、それはリスクの大きいことが駄目だって言ってるわけじゃなくて、そういうことを覚悟の上でリスクをとる場合は、それはそれで大いにやりなさいっていう話なんですよね。
髙橋:そうですね。好きなこと、自分に合っていることを仕事にすれば、苦労しながらでも楽しくやれるんですね。
大江:好きを仕事にするっていうことは大事だと思いますよね。
それには自分はこういうことやりたという、コンセプトみたいなものをはっきりと決めることが大事になりますよね。
髙橋:ありがとうございました。最後にこれから定年を迎えられる方、定年を迎えていろいろ悩まれている方に向けてメッセージをいただけるでしょうか?
大江:はい、わかりました。一言でいいますとね、定年後は楽しんでください。これがすべてです。仕事でも仕事以外でも。人生は60歳からが面白い。だから、サラリーマンの方はようやく刑期を勤め上げたわけですから、あとは自由なことをして楽しんでください。
髙橋:大江さん、たいへん参考になるお話、本当にありがとうございました。
1952年、大阪府生まれ。野村證券を定年退職したのち、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学、資産運用、企業年金、シニア向けライフプランなどをテーマとして、執筆やセミナーを行う。近著の『知らないと損する年金の真実』(ワニブックスPLUS新書)、『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)、『定年前』(朝日新書)ほか、著書多数。
髙橋 伸典
セカンドキャリアコンサルタント
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