他社承認が益々高まる50代──
50代に差しかかると、ますます他者承認を求めます。SNSのない時代から、社会でうまくやるためには他者承認が必要でした。 人間は、自分は人をほめないのに、自分をほめてくれた人を好きになります。
本当に人が好きな人は、ほめてくれない人を好きになります。 時には厳しいことを言ってくれる人を、好きになれます。 耳ざわりな人は遠ざけ、いいことを言ってくれる人を近づけていると、いつまでたっても成長せず、やがて詐欺に遭います。50代になっても成長するためには、厳しいことを言ってくれる人をそばに持つことです。
成長していることが、色気になります。 成長すると、まわりの人に対する寛容性も湧いてきます。「愛し力」は、許す力です。ほめてくれない人は、自分と価値観が違うだけです。
違う価値観に寛大になる
50代になると、価値観の違う人と接する機会が増えます。一つの会社にずっと勤めている人は、その会社のある一定の価値観の中にいます。 違う価値観の人と接する時は、会社の価値観から離れ、人間としてどう接するかが求められます。違う価値観の人に対して、「そんな考え方もあるんですね」と受け入れられるのが寛容性です。
新型コロナウイルスのように正解のわからないものが出てきた時、 「早く経済を復活させよう」 「ワクチンを、打たないとダメ」 「ワクチンは、打たなくてもいい」「ワクチンは、打たない方がいい」 と、多様な価値観がぶつかり合います。コロナで大変なのは、対コロナの問題ではなく、コロナへの対応の仕方が個々人でみんな違うことです。
高田純次流「価値観の提示」
色気のある人は、寛容性のある人です。高田純次さんは、寛容の人です。高田純次さんの魅力は、「それもありだね」と言って笑えることです。一緒にいる人は、「そんな考え方もあるんだ」と視野が広がった瞬間、気持ちが開放されます。視野が狭まり、「これしかない」と思えば思うほど、その人はギスギスして、しんどくなります。高田純次さんは、「こんな考え方もあるよ」と、みんなが思っているものと違う価値観を提示してくれます。その上で、「あなたはあなたで間違っていないけどね」という寛容性があるのです。
たとえば、「松嶋菜々子に似てるね」 「え、そんなことありません」「じゃあ、似てないんだ」 私は、高田純次さんのこのギャグが好きです。思いもしないアングルから返ってくるギャグによって、「自分たちは狭いところに いたんだ」と気づかせてくれるからです。 色気は、自分と違うゾーンにいる人には感じます。社会人は、安全ゾーンの中で暮らそうとしがちです。一方で、アーティストは安全ゾーンから外に出ています。だから、アーティストはモテるのです。