60歳以降の健康保険は、働き方で4種類に分けられる
60歳以降の健康保険は、働き方によって4種類に分けることができます。1つ目は継続雇用や退職から間を開けずに再就職するケース。この場合は、勤務先の健康保険に加入することになり、保険料は引き続き会社と折半になります。基本的に受けられる保障が同じで、安心度が高め。扶養の妻が加入することができる点もメリットです。ただし、勤務時間が短い、勤務日数が少ないという場合には、健康保険加入の対象外となることもあります。
2つ目は退職前の健康保険を任意継続するケースです。これまで会社と折半していた保険料を全額自分で負担することになりますが、妻や子どもを扶養にすることも可能です。加入期間は2年間ですが、途中で申し出により任意に脱退できます。
国民健康保険の保険料、退職翌年に高くなることも
3つ目は、国民健康保険に加入するケースです。この場合は、退職後14日以内に、居住地の市区町村に申請をします。保険料は、前年の所得を元に算出されるため、退職した翌年の保険料は、高くなることがあります。
4つ目は、家族の健康保険の被扶養者になるというケースです。この場合のメリットは、保険料の負担をしなくて済むことです。ただし、加入している被保険者に生計を維持されていること(同居などの条件がつく場合もあり)、年収が180万円未満であることが条件であることなど、一定の要件をクリアしないと対象となりません。
健康保険の選択肢は4つ…どのタイプに該当するか確認
定年後の働き方によって加入する健康保険は変わります。下記の図表1をチェックして、自分がどのタイプに該当するのかを把握しましょう。
夫の国民健康保険加入で、妻にも保険料負担が発生
国民健康保険には扶養という考え方がないため、夫が国民健康保険に加入する場合には、妻も国民健康保険に加入して保険料を負担する必要があります。
福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)