(画像はイメージです/PIXTA)

夫が定年退職した場合、扶養に入っていた妻の健康保険や年金についても注意が必要です。夫の就業形態によっては、これまで負担のなかった保険料の負担が生じるケースもあります。夫の定年後の働き方の4パターンから、詳細を見ていきましょう。※本記事は『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

扶養の妻が知っておくべき「夫定年時の手続き」

夫の扶養に入っていた妻の社会保険(健康保険や国民年金)の加入先は、夫の定年後の働き方によって変わってきます。扶養の妻の社会保険について、よく理解していない人も少なくないはずです。夫の定年後の働き方別にきちんと把握しておきましょう。

 

下記の図表は、夫の定年時に60歳未満である扶養の妻が、どの健康保険や国民年金に加入するのかを表したものです。ケースによっては保険料が発生することもあります

 

まずは夫の定年時の妻(60歳未満)の健康保険について確認しましょう。夫が継続雇用や再就職で会社の健康保険に加入する場合は、妻は引き続き夫の被扶養者となり、健康保険料の負担はありません。

 

また、夫が退職後も会社の健康保険を任意継続するケースも、同様に夫の被扶養者となるため、健康保険料の負担はありません。しかし、このケースでは加入期間は最大2年間のみ。その後は、夫婦とも国民健康保険に加入し、保険料を負担することになる点は覚えておきましょう。

 

夫も妻も家族(子)の扶養に入ると、夫婦ともに健康保険料の負担はなくなります。

夫の定年後、妻の国民年金はどうなる?

次に、夫の定年時の妻(60歳未満)の国民年金について見ていきましょう。

 

夫が継続雇用や再就職を選択し、会社の厚生年金に加入する場合には、妻は引き続き国民年金の第3号被保険者となるため、年金保険料の負担はありません。

 

一方で、夫がリタイアしたり、自営業を選択したりする場合では、60歳を過ぎた夫には国民年金の加入義務はありませんが、60歳未満の妻は、国民年金の第1号被保険者となり、保険料を支払う必要があります。

 

なお、夫婦とも60歳になると国民年金の加入は必要なくなります。ただし、加入期間が40年(480月)に満たない場合、65歳になるまでは国民年金に任意加入するとともに、付加保険料を支払うこともできます。これにより、老齢基礎年金の年金額を増やすことができます。

夫の定年後、扶養の妻の健康保険・年金はどうなる?

夫の働き方によって妻が国民年金の第1号被保険者になった場合、自分で手続きをしなくてはならないので注意しましょう。

 

※夫は60歳を超えているため国民年金の加入は必要なし
[図表]夫の定年後、扶養に入っている妻の健康保険・年金はどうなる? ※夫は60歳を超えているため国民年金の加入は必要なし

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版

いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版

監修:福地 健

株式会社インプレス

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