定年退職者たちの不安…継続雇用・再就職による「大幅な賃金低下」にどう対処する? (画像はイメージです/PIXTA)

定年退職後に継続雇用や再就職を実現しても、現役時代とくらべて大幅な収入減となってしまうケースは多いもの。しかし、それを補填する「高年齢雇用継続給付」制度があります。詳しく見てみましょう。※本記事は『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

雇用継続等での収入減で「給付金」がもらえることも!

定年退職後も雇用継続や転職で働き続ける場合、一般的には賃金が下がってしまうケースが多いです。

 

それを補填する制度が「高年齢雇用継続給付」。60歳以降の賃金月額が60歳到達時点に比べて75%未満になった場合に、一定の条件を満たしていれば賃金月額の最大15%を雇用保険から「高年齢雇用継続基本給付金」として受け取れます。

 

高年齢雇用継続基本給付金は、失業手当を受給していない人を対象とする給付金。給付金を受け取るためには、

 

①60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者であること

②60歳時点で雇用保険の被保険者であった期間が5年以上あること

③60歳到達時点と比較して再雇用後の賃金月額が75%未満であること

 

の3つの条件が必要です。

 

給付額は、どれだけ賃金が下がったかで変わりますが、賃金月額が61%以下に下がると、一律で継続雇用後の賃金の15%が支給されます。

 

給付額の計算方法は、60歳時の賃金月額が47万円、定年後の賃金月額が26万円の場合の給付額イメージを確認しましょう(下記の図表2参照)。

 

この場合、賃金の低下率は55%となり、受給要件の75%未満を満たし、なおかつ61%以下であるため、再雇用後の賃金月額の15%の金額が給付されます。そのため、賃金月額が26万円に下がった今回のケースでは、毎月3万9000円(26万円×15%)を受け取れます。給付金は非課税のため、賃金が21万円下がっても、手取りは約11万円しか下がらない点は注目です。

「高年齢雇用継続給付自分はもらえる?

◆「高年齢雇用継続給付がもらえない人◆

 

役員の人(雇用保険に加入していないから)

□ 雇用継続後の勤務が1週間20時間未満の短時間勤務の人(雇用保険非加入になる)

□ 雇用継続後の月給36万4595円以上の人

※高年齢雇用継続給付の支給限度額(2022年12月現在)

 

◆「高年齢雇用継続給付がもらえる人◆

 

□ 60歳定年時に5年以上雇用保険に加入している人

雇用継続後も雇用保険に加入し続けている人

□ 60歳到達時の月給から75%未満になっている人(上限47万3100円の75%未満の人)

 

定年退職後に役員として再雇用された場合や短時間勤務など、雇用保険非加入のケースでは、給付の対象外となるため、注意が必要です。

高年齢雇用継続給付の概要

 受給要件 

60歳以降も継続勤務し、60歳到達時の賃金の75%未満に低下

・5年以上雇用保険に加入している

・雇用保険に加入して勤務している

 

 受給額(月額) 

継続雇用後の賃金の最大15%

※ 2025年4月より15%から10%に引き下げられる

 

 受給期間 

6065になるまで

 

 年金との調整 

高年齢雇用継続基本給付金の額(賃金の低下率)に応じて特別支給の老齢厚生年金が減額される

高年齢雇用継続基本給付金の額が高いほど、年金は多く減額される(最大で継続雇用時の標準報酬月額の6%相当額)

 

※2025年4月より15%から10%に引き下げられる
[図表1]高年齢雇用継続給付の概要 ※2025年4月より15%から10%に引き下げられる

「高年齢雇用継続基本給付金」の受取額イメージ

60歳以降の給与が47万円から26万円と約半分にダウンしたケース(図表2)。しかし、低下率「75%未満」でなおかつ「61%以下」にも該当するため、新賃金月額の15%(3万9000円)の給付を受け取れる。

 

[図表2]「高年齢雇用継続基本給付金」の受取額イメージ

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

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    ファイナンシャル・プランナー
    社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
    (株)近代セールス社前代表取締役社長
    CFP®(日本FP協会元理事) 

    月刊ファイナンシャル・アドバイザー編集長をはじめFP関連書籍の企画・編集を長年手がける。ライフプラン、年金などに幅広い知見がある。

    著者紹介

    連載【2022-2023年最新版】65歳受給・年金新世代が知っておきたい「定年前後のお金と手続き」

    いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版

    いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版

    監修:福地 健

    株式会社インプレス

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