(画像はイメージです/PIXTA)

近年では、定年退職後も働き続ける人が増えています。厚生年金の場合は70代まで加入できることから、働き方次第で、老齢厚生年金の受取額を増やすことも可能です。どの程度の就労でいくらぐらい受け取れるのか、事例をもとにシミュレーションしてみましょう。※本記事は『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

定年後も会社員として働くと「年金額が増える」

近年では、60歳の定年後も働き続けることが当たり前になりつつあります。国民年金の場合は、60歳までしか原則加入できませんが、厚生年金の場合は、会社員などで在職していれば、70歳になるまで加入できます。つまり、定年後のもうひと頑張り次第で老齢厚生年金の受取額を増やすことができるのです。

 

また、厚生年金の被保険者として、60歳以降も働くと「経過的加算」が加算されます。加算額は、1カ月あたり1621円(年約1.9万円)。

 

ただし、厚生年金の加入期間の合計が、480カ月(40年)に達すると、それ以後は働いても加算されません。

増える年金額を確認し、老後の働き方を考えよう

仮に、定年後もリタイアせずに働き続けることで、どのくらいの年金が増えるのかをチェックしてみましょう。図表1の計算式を使うことで、増額する老齢厚生年金の概算金額を試算できます。例えば、60歳以降、年収312万円で5年間働くと、増える年金額は、1年間あたり、8万5800円です。それほど多い金額と感じないかもしれませんが、この金額は、生涯増額されて受け取ることができます。65歳から80歳まで、15年間受け取った場合は、総額で約128万円増やせます

 

パートなどの短時間労働者でも月額8万8000円以上の賃金がある場合、一定の要件を満たせば厚生年金に加入可能です。ワークスタイルも柔軟に考えつつ、将来もらえる年金額について考えてみるのも良いでしょう。

働くことで増える年金額…算出のための3ステップ

60歳以降の就労で増える年金額は、下記の図表1の手順で計算することができます。

 

[図表1]働くことで増える年金額を算出する方法

 

[図表2]再雇用時に年収312万円で65歳までに働く場合の計算例

年収・働く年数別の年金増額早見表

年収別・働く年数別の年金増額の目安は、下記図表3を参照ください。

 

※上記の金額は概算。経過的加算は考慮していない
[図表3]年収・働く年数別の年金増額早見表 ※上記の金額は概算。経過的加算は考慮していない

年金を受給しながら働くと、毎年年金額が増える!

65歳以降、年金をもらいながら厚生年金被保険者として働いた場合、毎年1回8月までに納めた分を反映した年金額が、10月分(12月振込分)から受け取れます。

 

[図表4]年金を受給しながら働くと毎年年金額が増える!

 

 

福地 健
ファイナンシャル・プランナー
社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問
(株)近代セールス社前代表取締役社長
CFP®(日本FP協会元理事)

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    監修:福地 健

    株式会社インプレス

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