※画像はイメージです/PIXTA

有限責任事業組合(LLP)は法人格を持たない組合です。コストとリスクを抑えながら運営できるメリットがあります。まずはその特徴や注意点をみていきましょう。

設立前に知っておきたい注意点

任意組合や株式会社と異なる特徴を持つ有限責任事業組合を設立するときには、将来の展開も考えた上で決めましょう。単にコストとリスクが低いという点だけでなく、注意点も考慮した上での検討が必要です。

株式会社への組織変更はできない

有限責任事業組合に法人格はありません。そのため設立後に法人格の必要な株式会社への移行はできない決まりです。

 

どうしても途中で株式会社に変更しなければいけないときは、一度組合を解散し、株式会社を設立し直さなければいけません。手続きに手間がかかるため、スタート時から先々を考え組織作りをするとよいでしょう。

契約は組合員の肩書付き名義で行う

組合が契約する際は、『組合員の肩書』を付けた名義を記載します。有限責任事業組合も民法組合の一つです。そのため『有限責任事業組合 代表者OO』で契約します。たとえば金融機関の口座を開設するときも、組合員の肩書付きの名義でなければいけません。また不動産の購入時には、組合員全員の名義で登記が必要です。

リスクを抑えて新たな事業を展開しよう

新たな事業を始めるとき、リスクとコストを低く抑えるには有限責任事業組合が向いています。万が一事業がうまくいかなくても有限責任のため、組合員は出資した金額の範囲内でしか責任を問われません。

 

また利益が出ても法人税は課されず、組合員に直接課税されるパス・スルー課税のため、税金の負担を抑えやすいでしょう。特に他社と共同で実施する事業であれば、有限責任事業組合を利用するのがおすすめです。

 

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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