今回は、ベトナム不動産を購入する際の手順と、その注意点を紹介します。※本連載は、I‐GLOCALグループ代表・蕪木優典氏と、弁護士・工藤拓人氏、實原享之氏、グェン・チュン・チャン氏による共著書籍、『これからのベトナムビジネス』(東方通信社)の中から一部を抜粋し、ベトナムの不動産市場の現状と最新のトレンドを紹介します。

ベトナム不動産の購入には「仲介会社」を通す必要がある

賃貸について説明する前に、物件の購入方法をまとめておきたい。まず購入時には物件探し、デポジット契約、売買契約、日本からベトナムへの送金、物件引き渡し、内装工事、権利証(ピンクブック)引き渡し、という流れになる。

 

購入自体は仲介会社を通さないといけない場合が多い。たとえばビンホームズあたりだと、各フロアを仲介会社がおさえていてそれを購入するという形になる。仮にそうでなかったとしても、売り手側の仲介会社を通さないといけない。

 

買い手側についてはニーズ次第だが、日系の仲介会社を挟むか、売り手に仲介がいるから物件だけしぼってもらって、そこにいくということであれば通訳だけつければいい。

 

デポジット契約が多いのも特徴だ。まずデポジット金を入れて、デポジット契約を結べば物件を押さえることができる。

 

あとは期限通りに支払いを進めていくだけだが、その途中で売買契約を結ぶ必要がある。その際には権利関係や平米数、保障条項などを絶対に確認しておくようにしたい。

 

売買契約の価格としては、物件自体の価格に加えて法律上、メンテナンス費が2%かかるほか、さらに付加価値税、すなわち消費税と似たような扱いとなるVATが10%つく。だいたいの送金スケジュールは、できあがっている物件であれば引き渡し時に95%、ピンクブック引き渡しのときに残り5%といった感じだ。

 

プレビルドの場合は、できあがるまでに2〜3カ月おきに5〜10%払っていくスケジュールになる。引き渡し時までに半額払い終わっており、引き渡し時に残りの45%を払い、ピンクブック引き渡し時に5%支払うという流れが一般的だ。

安い物件の場合、「内装設備が何もない」ことも

物件引き渡しは当然現物をその場で確認することが鉄則だが、とくに確認してほしいのは売買契約の内容のひとつでもあるが、どこまで設備がついてくるかということだ。

 

キッチン、バス、トイレに加えて壁紙までついてくる場合もあれば、そもそも何もない、空調はもちろんキッチンもない状態の価格で売買している場合もあるので注意してもらいたい。とりわけ安い物件の場合、内装が何もないから安いということもあるので要注意だ。

 

ちなみに内装工事については日系の業者がいくらでも現地に出ているし、不動産会社経由でローカル企業に依頼してもいいので、そう苦労することはないだろう。

これからのベトナムビジネス

これからのベトナムビジネス

蕪木 優典・工藤 拓人・實原 享之・チャン・グェン・チュン

東方通信社

ベトナムはドイモイ政策、世界貿易機関(WTO)への加盟を経て、着実に経済成長を遂げ、今後はTPPへの加盟でますます成長するといわれています。現にピーターソン国際経済研究所の調査では、ベトナムの主要輸出品である衣料品の…

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