今回は、ベトナムで活躍する日本企業の実績を見ていきましょう。※本連載は、I‐GLOCALグループ代表・蕪木優典氏と、弁護士・工藤拓人氏、實原享之氏、グェン・チュン・チャン氏による共著書籍、『これからのベトナムビジネス』(東方通信社)の中から一部を抜粋し、ベトナムの不動産市場の現状と最新のトレンドを紹介します。

日本人による開発が進む「ゲート・シティ」

ベカメックス東急は新都市エリアの入り口にあるゲート・シティというエリアで、すでに高層マンションを建設、販売している。その名はソラ・ガーデンズ、地上24階建て、戸数約400戸というツインタワーマンションだ。

 

高層階からは眼下に緑豊かで大きな都市公園が広がり、新都市全体を見渡すことができるし、内装も美しく日本の新築マンションにまったく引けを取らない仕上がりになっている。

 

それもそのはず、そのコンセプトの根幹にあるのは、ハイクラスなライフスタイルの提供であり、緑の多い生活空間、快適な室内空間、日本人担当者による厳格な品質管理・工程管理、プロフェッショナルのビルメンテナンス・管理、セキュリティシステム、停電時100%予備電源対応などを提供しているという。

 

価格は米ドルにして約6万ドルから13万ドル、ベトナムの中間所得層の夫婦でも共働きで頑張れば購入できる水準の物件だろう。

 

そのほか、ベカメックス東急は庁舎隣接のコア・シティ内でフードコートやファミリーマートなどが入居する商業施設「hikari」を展開している。ゲート・シティ内には大規模な商業施設を計画中で、いずれこのエリアは住宅と商業・サービス施設が一体となった利便性の高い大規模な複合開発エリアとなるだろう。

日本のノウハウを導入した「交通システム」も整備

広大な敷地を生かしたまちづくりはそれだけに留まらない。順次、高層マンションや商業施設のみならず、水と緑のランドスケープと低層住宅が一体となったガーデン・シティ、シンボルエリアのコア・シティなどの二次開発を進めるほか、14年12月19日には路線バス「KAZE SHUTTLE」を本格開業している。

 

ベトナムの交通機関は現在バスが中心で、到着・出発時間は当てにならず、またスリなどの危険なイメージも強いが、「KAZE SHUTTLE」はバス停に掲げた時刻表に基づく定時運行や安全・快適な車両の導入、乗客への丁寧な接客案内など、日本のノウハウを導入した交通システムとなっている。

 

すでにビンズン省新庁舎に勤務する公務員や来庁者、新都市内居住者の通勤・移動の手段として、活用されているようだ。

 

また、土・日・祭日には14年11月1日にビンズン省にオープンしたイオンショッピングモール2号店をつなぐチャーターバスを運行するなど、地元住民のニーズに臨機応変に対応している。

 

14年12月には「hikari」の前の広場でクリスマスイルミネーションを行い、街の賑わいを演出するなど、ビンズン新都市の賑わい創出にも貢献しているというベカメックス東急。ハードからソフトまで日本ならではの細かい気配りを武器に、東急電鉄はベトナムの発展と共にさらに飛躍を遂げていくことだろう。

これからのベトナムビジネス

これからのベトナムビジネス

蕪木 優典・工藤 拓人・實原 享之・チャン・グェン・チュン

東方通信社

ベトナムはドイモイ政策、世界貿易機関(WTO)への加盟を経て、着実に経済成長を遂げ、今後はTPPへの加盟でますます成長するといわれています。現にピーターソン国際経済研究所の調査では、ベトナムの主要輸出品である衣料品の…

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