(※写真はイメージです/PIXTA)

貸借対照表の純資産が多かった人というのは、それだけ知的資産が豊富であったということになります。逆に貸借対照表の純資産が少なかったもしくはマイナスであった人の知的資産はそれだけ乏しかったということになります。公認会計士の千日太郎氏が著書『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)で解説します。

知的資産のアップデートに遅過ぎることはないこはない

お金は幸福になるための条件です。また、お金があることによって生活するうえでの選択肢が増え、経済的独立と自由を獲得できることに異を唱えるものではありません。しかし多くのお金を消費しなければ得られない幸福と、それほど多くのお金を必要としない幸福があるならば、どちらの幸福がこれからの少子高齢化社会に適合しているかを考えてみてください(次の図)。

 

出所:千日太郎著『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)より
【図表】幸福とお金 出所:千日太郎著『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)より

 

くれぐれも誤解しないでほしいのですが100万円の海外旅行に100万円のバリューが無いと言っているのではありません。「モナ・リザ」の所蔵されているパリのルーブル美術館はすべて見て回ると1週間以上かかると言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチや当時の西洋絵画について教科書で知っている程度の熱量で見て帰ってくるだけなら、そこまでお金をかけて行くほどのことじゃないなとは思います。つまり人によるのです。

 

また、心からルーブル美術館に行って絵画を見たい! と願いつつ、お金が無いがゆえに1万円の国内旅行でコピーを見て我慢することを考えると、だったらお金があった方が良い、やっぱりお金が究極の目的だという結論になるのでしょう。つまり100万円の海外旅行でも望むなら行くことができる、お金は人生における選択の自由度や豊富さであり、これが幸福につながるのだという面も確かにあります。

 

しかし、お金をたくさん必要とする幸福しか自分の選択肢にないなら、その人はいかに多くのお金を持っていても本当の意味で自由とは言えません。何でも楽しむことができて、その中にお金をそれほど必要としない選択肢が豊富にあるなら、そちらの方がより自由ではないでしょうか。

 

わたしたちは幸福になるために生まれてきたのです。ならば幸福に至る道筋をたくさん作って、より幸福になれる可能性を上げるのが道理です。お金を稼ぐ能力だけではなく、稼いだお金をどのように配分して自分自身を幸福にしてやるのか? そうした幸福のバリエーションも含めたものが「知的資産」です。

 

もし、いまの時点で貸借対照表の純資産が少ないまたはマイナスであったとしたなら、今までの自分には幸福になるためのバリエーションが少なかった(お金を多く消費するものに偏っていた)のかもしれません。

 

現在の純資産の金額は過去の結果であり、時間を巻き戻すことはできませんが、これからの自分の知的資産をアップデートし、貸借対照表の「純資産」を増やすことのできる知的資産に変えていくことはできます。知的資産のアップデートに遅過ぎるということはありません。「今」が一番早いのです。

 

千日 太郎

オフィス千日(同)代表社員

公認会計士

※本連載は千日太郎氏の著書『初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入

初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入

千日 太郎

同文舘出版

まだまだ現役世代のアラフィフが、“今”と“将来”を見据えて選ぶマイホーム ・幸福の条件とその土台 ・貸借対照表で自己資産を見る ・40代後半から家を買ってはいけない人の特徴 ・地方移住を成功させるカギ ・定年延…

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