お金が入ってくる前と使った後の流れを想像
世の中には、お金に恵まれている人と恵まれていない人がいます。
なぜかいつもお金がある人と、なぜかいつもない人もいれば、お金が大してなくても困っていない人もいれば、お金がたくさんあるのに困っている人もいます。
言い換えると、前者は「お金の流れがよくてちゃんと循環している人」で、後者は「お金の流れが滞っていて循環していない人」です。
前者と後者では、いったい何が違うのか。
唯一の違いは、お金の流れが見えているかどうかです。
まず、お金は世の中を流れている、というイメージをふくらませるために、今、自分が手にしているお金はどこからやってきたかを想像してみましょう。
そして、自分のお金が、何かを買ったり、サービスを利用したときに、どこに、どうやって流れていくのかも想像してみてください。
いわば、お金の流れの「見える化」です。あくまでもイメージなので、正確である必要はなく、買い物をしたときの店員さんを思い浮かべたりしながら、自由に想像してみてください。
例えば、私が手にしているお金の一部は、私のセミナーに参加してくれた方々からやってきます。
参加者の中には経営コンサルタントの方がいて、その方が支払ってくれる受講料はどこからやってきたかというと、その方のクライアント企業が支払ったコンサル料になります。さらに、クライアント企業が支払ったコンサル料はどっからやってきてるのかというと、クライアント企業が取り扱う商品やサービスを購入した消費者が支払ったものになります。
そうやってお金は私のところにやってきて、今度はどこに行くかというと、よく家族で利用するレストランに食事代として流れていきます。その食事代は、アルバイトをしている学生に流れます。そして、学生の食費や本代、服代などに使われます。
こんなふうに、自分を中心にして、お金が入ってくる前と使った後の「三代ずつ」を想像してください。
会社員の方の場合は、まず給料はどこからやってくるのかを考えます。
その多くは、自社の商品やサービスを購入した消費者の代金からでしょう。
さらに、その消費者がお花屋さんを経営していると仮定して、代金はお花を買ってくれたお客さんからやってきた、と想像するわけです。
このように、自社の主な購買層などから具体的に想像したほうが、イメージがふくらみやすいと思います。
そして、自分の手元に入った給料の一部は、子どもが通う私立高校の授業料として流れていくでしょう。
その授業料は先生の給料の一部になり、先生の家族の食費や服代になります。
主婦の方の場合、スーパーで買い物をするときに、今日買った肉や野菜の代金はレジ打ちを担当してくれた女性店員さんの給料になると想像します。
その女性店員さんが若くておしゃれな人ならば、月1ペースで美容院に通っていると仮定します。
そして、給料の一部はカット代として使われ、彼女のカットを担当した美容師さんの家賃になる、と想像します。
こうした想像を1日1〜2回考えるようにして、それを3カ月も続けると、手にしているお金に対して自分のものという感覚が薄れていきます。
それまで頑張って貯めて、自分のところにお金を留めておこうとしていたのが、噓のように感じられます。
それが、頭だけではなく身体感覚でも、お金は世の中を流れているもの、と理解した状態です。
自分の手元から流れていっても、必ずどこかから流れてくると信じられるので、お金がなくなる不安から解放されるのです。
山根 洋士
心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー(心理カウンセラー)