(※写真はイメージです/PIXTA)

佐藤良久/松村茉里/竹内宏明/森田努/川端ゆかり/高田江身子/杉森真哉/黒川玲子/中村剛/山田隆之氏の共著『そうだったのか! 相続のトリセツ』より一部を抜粋・再編集し、相続対策についてみていきます。

相続問題は年々増えている…“争族”の増加

最近、週刊誌やテレビで相続特集が組まれることが多くなりました。

 

みなさんもここ1年以内に、電車の中刷り広告やテレビなどで、一度は相続特集を目にしたことがあるのではないでしょうか。その内容を見ていると、残念ながら相続の「良い」話が特集されることは少なく、どちらかといえば遺産相続で「揉めている」ことを特集していることが多いように思います。

 

そして実際に、相続発生後に遺族が悩むケースが増えています。このようなことから、家庭裁判所への相談件数は年々増加傾向にあり、遺産分割事件は平成24(2012)年から増加傾向にあります。

 

裁判所の資料によると、平成30(2018)年に裁判所に持ち込まれた遺産分割事件数は、15706件を超えるまでになりました。平成10(1998)年が10302件ほどであることを考えると、増加傾向にあるということがお分かり頂けるかと思います([図表1])。

 

[図表1]家庭裁判所遺産分割事件の推移

 

平成30年度の司法統計年報のデータでは、遺産分割事件の調停成立件数のうち、遺産総額が1000万円以下の事件が約35%、1000万円~5000万円の事件が約43%と、遺産総額が5000万円以下の事件が約78%となっています([図表2])。

 

[図表2]遺産分割事件の遺産価額

 

遺産分割は相続人の間で協議の上、分割協議が確定できれば裁判所での手続きは必要ありません。当事者間で遺産分割協議書を作成し、署名押印すれば良いからです。

 

しかし、実際には分割協議がまとまらず、裁判所の調停や審判に頼らざるを得ない人たちが増えているのです。

 

これは、相続税が発生しない財産状況だったため特に対策をせず、いざ相続となった際に遺産分割で揉めてしまうことも原因の一つではないでしょうか?

 

相続人全員が納得する幸せな相続を考えるのであれば、相続予定の財産を誰に・どれだけ・どのように分けるかを考える分割対策が一番重要な対策と言えるでしょう。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『そうだったのか! 相続のトリセツ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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