(※写真はイメージです/PIXTA)

大山昌之氏の著書『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』より一部を抜粋・再編集し、日本の国家財政についてみていきます。

日本政府の財政が「ここまで悪くなってしまった」ワケ

私は、大学を卒業してすぐに自分の父親の会社を継ぎ、この年になるまで20年以上会社の経営というものに携わってきました。自分は別段たいした経営者ではありませんでしたが、今ではおかげさまでこのコロナ禍にもかかわらず会社の経営も順調で、お金に困る事もなく、ある程度自由気ままに生活させてもらっています。

 

そんな私が、今までの経営者としての経験から一つだけはっきりといえる事は、会社の経営能力、もっとわかりやすくいえば「儲ける力」とは、努力や学歴とは全く関係なく、完全な才能だという事です。才能のある経営者だけが、人を育て、規模を拡大し、常に儲かり続ける会社を作り上げる事ができる反面、才能のない経営者にはそういった事が全くできません。

 

また、儲ける力のある人は、会社の財務内容がどんなにひどくても会社が倒産する事はありませんが、儲ける才能のない人が経営者になってしまうと、どんなに経営内容が良かった会社でも、数年で会社はおかしくなってしまいます。

 

この話は、実際、会社を経営している経営者ほどよく理解してもらえ、一般人ほど、真面目に仕事さえしていればお金は黙っていても自然と空から降ってくると勘違いしています。はっきりいって企業のトップになる才能のない人間は、人に迷惑をかけるだけなので、けっして会社の経営者になどなってはいけません。

 

それは、国家に対しても同じ事がいえます。日本政府の財政がここまで悪くなってしまったのは、「儲ける力」のある人が本来は国の指導者になるべきなのですが、残念ながらそういった才能を全く持ち合わせていない人が、ただ選挙に強いといっただけの理由で総理大臣になってしまうので、なかなか日本の財政は健全化できないのです。

 

けっして、政治家が悪い事をしているから財政が悪化するわけではありません。要は、政治家一人一人の能力の問題なのです。

 

私は、けっして一流の経営者ではありませんでしたが、それでも今自民党が一生懸命行っている財政再建策は、全くのトンチンカンで、企業経営にたとえるならば倒産まっしぐらといえるほどひどいものです。

 

日本政府を一つの会社組織と捉え、一般の会社と同じような経営計画のシミュレーションを立ててみると、2034年には、日本の国、地方債の債務残高は1500兆円を超えGDPの3倍近くにもなってしまいます。

 

この計画では消費税を五年ごとに段階的に引き上げていき、2040年には20%まで増税し、なおかつその経済的なマイナス成長分を全く加味していませんが、それでも再建のメドが全く立たない状態です。

次ページ毎年増え続ける社会保障費…ひどすぎる政府の国家運営

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『財政再建したいなら移民を3000万人受け入れなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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