優先順位が上がれば無断キャンセルは減る
■顧客価値が高くキャンセル率が下がる
当社クライアントの中にはグーグルビジネスプロフィール(以下、GBP)などの口コミを見てくださったお客様がホームページを閲覧し、そのまま公式LINEや店舗に直接電話をして予約をすることがあります。
それ以前は無断キャンセル(電話にてキャンセル)が相次いでいたのですが、キャンセルされることが激減しました。
理由は、お客様にとって優先順位が上がったからです。
これを私は「予約難の寿司屋理論」と呼んでいます。
たいして期待をしていない飲食店の予約であれば、キャンセルをして違う店にすることもあるでしょう。優先順位は低いため当初の予約を履行する確率は低くなります。
「最初予約したA店だけど、B店の方が安いからあっちにしよう」とライバル店の方が価格は安くキャンセルされてしまったり、「A店予約したけど、もっと近くにB店があった」と近い店へ簡単に乗り換えたり……もしかしたらあなたも一度や二度やったことがあるかもしれません。
しかし、「予約するのに1年待ち」という店に予約してようやく当日を迎えたらどうでしょう。予約をキャンセルするようなことはあるでしょうか。あり得ないですよね。何がなんでも行きますよね。
これは優先順位の違いです。お客様にとってどれだけ価値の高い店舗になれるか、が今後の店舗ビジネスには欠かせないと私は思っています。
反対にキャンセルされてしまう店は、「一度予約したのになんでキャンセルするんだよ!」と店主の怒りが聞こえてきそうですが、そろそろ気づくべきです。残念ながら、もうお客様はそう簡単にあなたの店には入らないということを。
お客様はワガママです。類似の店はごまんとあります。いくらでも選択肢はあります。その中から、せっかくお金を払うならお客様自身の中で確かな価値があるところにお金を投じたいのです。無意識に「確率思考」が働くものです。
店舗評価がオープン(口コミ)になったからこそ、中身の見えない店舗への不安が増大しやすいのは理解できますよね。
どんなお店なのかわからない、暖簾とすりガラスがあるような店には、勇気がなければ入れません(中にはそういうのが好きな人もいますが)。
入って怖い店主だったらどうしようと不安になるし、入って最悪なサービスだったら「行かなきゃよかった」と思うでしょう。この損失を最小限にするためにお客様はリサーチをします。
それが口コミ評価なのです。
ある店舗の口コミ数が50件3.5点台としましょう。隣に口コミ数が500件4.9点のお店があるとします。
あなたはどちらを選びますか。100%後者ではないでしょうか。
先に口コミ数50件の店を発見して予約したとしても、後で口コミ数500件のお店を見つけたら「あっ、こっちの方が口コミ多いし評価点も高い!」と思って予約し直しませんか。
間違いなくするでしょう。
これまでは店舗評価(口コミ)はブラックボックスでした。あなたの不満な店リストを知っているのは、せいぜい友人知人家族くらいでした。しかし、今は日本全国の人にあなたの不満が広まる時代なのです。
これでは、広告にどれだけお金を支払って予約獲得しようとしても、肝心の口コミ評価が低ければ、残念ながら広告費はドブに捨てることになります。
無断キャンセル、当日キャンセルに悩むことになるでしょう。
まずは、お客様が予約をしたら100%履行してもらえるような、良質な口コミを集めることが、今の時代の店舗経営には欠かせません。
広告はあくまでもオープン初動(半年程度)にして、この期間に良質な口コミを300〜500件集めていく努力をしていくことで、あなたの店は地域になくてはならない店舗へと成長できるはずです。