(※写真はイメージです/PIXTA)

多くのアパート経営者が頭を悩ませる「家賃の不払い」。オーナーの多くは管理会社に一任しているものの、入居者が管理会社による再三の督促にも応じず、直接連絡もつかない場合、コンタクトをとるための手段としての「張り紙」は許されるのでしょうか? 自身も不動産投資家としての顔を持つ山村暢彦弁護士が解説します。

現在の家賃督促の対応策

ご紹介した裁判例などをもとに、現在の家賃督促の対応策を整理します。

 

最初の1~2ヵ月は、一般的に、大家さんないし管理会社による連絡を試みるのがセオリーでしょう。書面、電話、訪問といった方法により、まずは賃借人との連絡、督促を試すべきです。

 

書面による通知については、配達証明付き郵便を利用するなど、「督促した」という履歴を残すべきです。やや手続きが煩雑ですが、できれば「配達証明付きの内容証明郵便」がベストではあります。

 

1ヵ月を経過してもまったく連絡がないとなれば、少しコストがかかりますが、弁護士名をいれて、弁護士に内容証明郵便を出してもらうのがよいと思います。一般的な相場としては5万円ほどの費用かと思います。

 

いままで無視していた賃借人でも、弁護士の名前を出して、裁判になると通知すれば、対応が変わることもあります。

 

これでもまったく動きがなければ、むしろ失踪や居室内の事故、死亡などを疑って、警察署に室内の確認とその動向を依頼するのがベターです。近年孤独死の問題もありますので、前よりも柔軟に対応してくれるのではないかと思います。

 

勝手に大家さんや管理会社だけで対応すると、自力救済の問題も出てきてしまうので、警察への相談が必須といえるでしょう。

 

法律も社会の変化とともに裁判例の結論も変わり得るものですので、大家さんも常に勉強しながら対応を間違えないようにアップデートしていく必要があるといえそうです。

 

 

山村 暢彦

山村法律事務所

代表弁護士

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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