誰もが意見を言いやすい会議をつくる、3つのルール
また、チーム全員で仮説検証をすることで、メンバーの仮説力を磨いていけるのも大きなメリットです。会議では、全員で仮説を検証していく雰囲気をつくるために、次のような、意見を出しやすくなるルールを設けるといいでしょう。
- 否定的な意見はできるだけいわない
- 誰でもいつでも発言していい
- 意見を出すときに、他人の意見に相乗りしてもOK
これらを意識しながら議論をすれば、より生産的な時間にすることができます。
そして、リーダーは、会議の最後に次は誰の仮説を検証するかを伝えてください。
指名された部下たちは自分なりの検証をしたうえで、次回の会議に参加することになります。より建設的な意見が集まる会議にすることができるでしょう。
また、会議は基本的に、月に一回、多くて2回程度に抑えましょう。
個別のミーティングは必要に応じてやればいいのですが、会議は全員の仕事を一度に止めてしまうので、少ないに越したことはありません。仮説の検証という点から考えても、あまりにも短期間では、結果が出ているかがわかりづらいので、ある程度の期間は空けたほうがいいと思います。
会議で多様な意見を引き出すのもリーダーの役割
会議で仮説を検証する際、リーダーは、誰から意見をもらうかを意識するべきです。具体的には、キャリアが長い部下とキャリアが浅い部下の両方から話を聞くようにしましょう。
キャリアが長い部下は、自分の経験に即して、実践的なアドバイスを出してくれるはずです。一方、キャリアが浅い部下は、固定観念にとらわれず、意外な視点からの意見を出してくれます。
一つの議題に対して、いろいろな立場の人から話を聞くことで、より多角的な視点から考えることができます。
「君はどう思う?」「ちょっと別の人の意見を聞こうか」などと、幅広い意見を集められるように、会議をファシリテートしていくのもリーダーの役目なのです。
花王の「自由な会議」
私が勤めていた頃の花王は、とにかく「自由な会議」をしていました。
大企業の会議というと、どうしても経営陣の方針を伝える場になりやすく、参加者は話を聞いているだけということが多いものです。
しかし花王では自由な発言が許されていたので、とにかく活発な会議でした。上司が一方的に話す会議など一回もありませんでした。
このように、自由な会議が行なわれていたのは、企業文化として「一人ひとりが責任を持って仕事をする」ということが定着していたからです。
キャリアがある人にはもちろん、新人にも信頼して仕事を任せる。
だから、一人ひとりが責任感を持って仕事をしており、上司とか部下とか関係なしに、さまざまな意見を交わしていました。新人も積極的に発言していましたし、会議の雰囲気もすごくいいものだったことを記憶しています。
阿比留 眞二
株式会社ビズソルネッツ 代表取締役