(※写真はイメージです/PIXTA)

生活の事情により、国民年金の毎月の支払いが苦しい、あるいは、納付期間が短すぎて受給資格が得られない場合などの救済措置があるのをご存じでしょうか。今回は、国民年金保険料の免除や猶予の制度、そして任意加入の制度について見ていきます。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

保険料の納付が大変…国民年金の免除&猶予

★免除の要件と免除される金額 

国民年金保険の第1号被保険者(国内在住の自営業者・学生・無職で、20歳以上60歳未満の人)で、所得が少なくなったことで国民年金の保険料を納めることが難しくなった方は、申請することによって、保険料の免除を受けることができます。

 

また、産前産後期間には、保険料の免除を受けることができます。対象となるのは、妊娠85日以上で出産した第1号被保険者で、免除期間は、出産日が属する月の前月から4ヵ月間です。

 

[図表1]国民年金保険料の免除と猶予

 

保険料の免除が認められた場合、保険料の全額、4分の3、半額または4分の1が免除されますが、残念ながら、免除された分だけ将来もらえる年金額が少なくなってしまいます。

 

★猶予の要件…「追納」が前提に

保険料の支払いを猶予するための制度としては、学生を対象とした学生納付特例、50歳未満の方を対象とした納付猶予制度があります。

 

これら猶予の制度は、免除と異なり、保険料を追納することが前提となっています。

 

保険料を追納しなければ、受給資格期間には算入できるものの、老齢基礎年金の年金額には反映されません。その分、もらえる年金額が少なくなるということです。

 

免除であっても、猶予であっても、老齢基礎年金の受給資格を獲得することができる10年という期間には算入することができます。

 

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★保険料の追納で「年金の受給金額」を取り戻す 

免除された保険料は、10年前まで遡って、後から納付することができます。これを「追納」といいます。

 

追納すれば、追納した期間は保険料納付済みの期間となりますので、年金額は増加することになります。

 

[図表2]追納・猶予の制度まとめ

 

★国民年金保険料を支払えないときの対処法はこちらをチェック

国民年金保険料を支払えないときどうする!?免除/猶予/任意加入は?【FP3級】

国民年金の任意加入で「受給資格期間を満たす」

国民年金への加入する必要がない方でも、本人が希望すれば任意に加入することができます。主に3つのケースが考えられます。

 

ケース①年金を受給するために、受給資格である10年分の支払い期間を満たしたい

ケース②年金を満額で受給するために、支払い金額を増やしたい

ケース③日本国籍があっても日本に住所がない人が年金を受け取りたい

 

国民年金の受給資格は、下記の記事でまとめています。不安な方は見返しておきましょう。

 

【ケース①】受給資格の期間を満たすため 

 

60歳に達した時点で、老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たしていない者が、10年間という要件を満たしたいと考えるケースです。数年間だけ加入を続ければ受給資格期間を満たすという場合、70歳になるまで、国民年金に任意に加入することができます。

 

【ケース②】受給金額を増やすため 

 

60歳に達した時点で国民年金の加入期間か短いために満額の年金額をもらえない方が、老齢基礎年金の年金額を増やしたいと考えるケースです。そのような場合、65歳になるまで、国民年金に任意に加入することができます。

 

【ケース③】日本に住所がない人が受給するため 

 

日本国籍はあるが日本に住所がない方は、20歳以上であれば65歳になるまでの間、国民年金に任意に加入することができます。

 

[図表3]任意加入被保険者

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

 

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