人材育成が組織の成長につながる
女性スタッフがキャリアアップできて成長できることは、歯科医院としての成長を約束するといっても過言ではありません。言い換えれば、組織として成長するためには女性スタッフの人材育成がカギとなります。
人の成長は一朝一夕で成せるものではなく成果としては日々実感できるものではありません。しかし日々の積み重ねが成長へつながることを忘れてはいけないと思っています。
歯科医院の経営者は、歯科医師としての業務と経営者としての業務の両方を担うため、人材育成にまで手が回らないという人も多いと思います。
でもだからこそ、人材を育成して仕事を任せれば、自身の業務に対して選択と集中ができるようになるのです。5〜8人の組織であっても、新人や若手に教えたり面倒を見たりするスタッフが1人いるだけで、経営者の負担はかなり軽くなります。
常に経営者が新人の一人ひとりまで目を配り、手取り足取り仕事を教えなければならない状況では、経営者の負担が重過ぎます。
でも開業すれば自分が先頭に立ってやらなければいけないと一生懸命になる気持ちはすごく分かります。私も自分が治療も事務も何もかもやっているときは、時間的にも精神的にも余裕がありませんでした。私がピリピリしていたので医院内の雰囲気は悪く、そんな状況では人は定着しませんでした。
しかし、私の考えや価値観を伝えてそれを理解して実践してくれる人に現場を任せるようになると、私自身に時間的にも精神的にも余裕が出てきました。
すると不思議というか自然の成り行きというか、院内の雰囲気は柔らかくなりスタッフも定着するようになったのです。そして矯正をもっと学んだり休暇を取ったりすることもできるようになり、仕事もプライベートも充実しました。
矯正歯科専門医として私自身まだまだ多くの学びたいことがありますし、技術を磨いて成長もし、スタッフに学んだことを還元していきたいと思っています。
3つの分院すべてのスタッフの仕事ぶりや業務内容をすみずみまでチェックし指導することは現実的にはできません。そのため今は現場のベテランスタッフと勤務医に人材育成のほとんどを任せ、困ったことがあれば相談に乗ることにしています。
中間管理職ともいうべきスタッフが育たなければ、いつまでも経営者が現場のすみずみにまで目を光らせていなくてはならず、負担は増える一方です。
経営者がスタッフに仕事を任せることで自らステージアップし、それによりスタッフたちも自動的にステージアップすることができ、組織を成長させることができます。
何十人というスタッフを抱えて組織が大きくなってからではなく、1医院または10人ほどの規模のうちから経営者の価値観を浸透させながら人材育成を進めます。
そうすれば分院展開するなどでスタッフを増やし組織が大きくなったときに、経営者の方針や価値観を理解する右腕となるベテランスタッフや勤務医が育っており安定的に歯科医院を運営していくことができるのです。
村瀬 千明
歯学修士
日本矯正歯科学会認定医
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