(※写真はイメージです/PIXTA)

4つの歯科医院を運営する村瀬千明氏は、患者のためだけではなく、クリニックで働く「女性スタッフ」のためにも、高価な治療機器を導入することは効果的だといいます。それはいったいなぜなのか、村瀬氏が詳しく解説します。

女性スタッフのキャリア形成の道を拓く

女性スタッフは日々の診療で経験を積み、時には研修を受けて「キャリア」を積んでいきます。

 

女性スタッフ自身も仕事をしていれば成長してキャリアアップを望んでいると思います。得意な分野の専門性を高めたりそのために研修を受けたりして、現場で技術を磨き歯科衛生士・歯科助手としてプロの道を歩みたいと思っているのです。

 

しかし経営者が「5人くらいの組織だからうちの医院に必要なことをやってくれればいい」、もしもそのように考えているとすれば、それは大きな誤解です。

 

日本歯科衛生士会の調査では、職場で改善してほしいこととして、1位が待遇、2位が専門性・資格等の評価、3位が教育研修等・レベルアップの機会の充実でした。

 

また「歯科衛生士の仕事の魅力」という質問には、「国家資格である」には96.1%、「専門性の高い仕事である」に93.6%の人が丸を付けています。さらに「人の命や健康を守る仕事である」に91.4%、「人に直接関われる・手助けできる」は88.2%という結果です(※)。
※11 日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」(令和2年3月)

 

歯科衛生士という国家資格とその資格をもつことでできる仕事を誇りに思い、専門性をもっと評価してほしいと感じているのです。言い換えれば、歯科衛生士としての仕事を評価されていないと感じている女性スタッフが多いということです。

 

女性スタッフは向上心をもち技術を磨きたいと思っているのに、院内の教育システムの整備ができていない、キャリアを積める道が開かれていない歯科医院が多いと思います。

 

歯科医師として技術を磨き成長したいと思うのと同じように、女性スタッフも同様に経験を重ね技術を身につけ、歯科衛生士としても人としても成長したいという気持ちをもっています。

 

それにより人や社会に貢献したり、人の健康を預かったりする歯科衛生士という職に誇りと責任を感じているのです。

 

成長したくても環境がない、努力しても報われない職場は離職されやすく、いくら優秀な女性スタッフを雇っても長くは定着しません。仕事をしていて未来が描けなければ不安だからです。

 

女性スタッフのキャリアや技術に対する評価制度も同時に設け、昇給や昇進させることも大切です。

 

1年目の新人と2年目3年目の女性スタッフでは、明らかに仕事ぶりが違うはずです。それを正当に評価し賞与に反映させたり仕事内容をレベルアップさせたりして、キャリアに合った待遇を用意し仕事を与えます。

 

自分の仕事ぶりが評価され努力が報われれば仕事に前向きになり、結果的には良い人材が定着し、より良い治療やサービスを患者様に提供することになるのです。

 

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※本連載は、村瀬千明氏の著書『歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

歯科医院の成功は女性スタッフで9割決まる

村瀬 千秋

幻冬舎メディアコンサルティング

日本では歯科医師の数が年々増え続けており、歯科医院は競合が激しいなかで生き残っていく必要があります。 しかし、歯科医院は歯科医師の高い技術さえあれば経営が成り立つほど単純ではなく、実は女性スタッフの働きこそが…

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