相続発生後~1年以内に行うべき手続き
相続発生後、4ヵ月以内には所得税の準確定申告、10ヵ月以内には相続税申告が必要となります。 所得税の準確定申告のためには、被相続人の所得を調べる必要もありますし、税理士に作成を依頼するとなると早めに資料を準備する必要があります。
また、相続税申告については、申告期限までに遺産のわけ方が決まっているか否かによって、特例が活用できるか否かがかわってきますので、相続税の計算のみならず、遺産分割の手続きも進める必要があります。
所得税の準確定申告
所得税の準確定申告は、「相続の開始を知った日の翌日から4ヵ月以内」という期限があります。 所得税の準確定申告期限を過ぎてしまいますと、延滞税、無申告加算税が課される可能性がありますので、早めに税理士に相談しましょう。
相続税申告
相続税申告は、「相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内」という期限があります。 相続税申告期限を過ぎてしまいますと、延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税に加え、特例が使えないというペナルティが課される可能性がありますので、申告期限を過ぎないように、早めに税理士に相談するようにしましょう。
遺留分侵害額請求
遺留分侵害額請求は、「遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年」という期限があります。遺留分侵害額請求は、期限を過ぎてしまいますと一切請求できなくなります。そのため、弁護士に早めに相談をして、必ず期限内に請求するようにしましょう。
また、遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知らなくても、相続開始から10年を経過した場合には遺留分の請求ができなくなります。
相続発生後~5年以内に行うべき手続き
2年以内
・社会保険に関する各種請求・申請
(国民年金の死亡一時金請求、高額療養費支給申請、埋葬料、葬祭費支給申請など)
3年以内
・死亡保険金請求
5年以内
・年金に関する各種請求
(遺族年金請求、未支給年金請求など)
※相続登記については、不動産登記法の改正により、「不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内」に相続登記の申請をすることが義務付けられるようになります(令和6年4月1日施行)
相続により不動産を取得したことを具体的に認識したときから3年以内に遺産分割協議が成立しない場合は、一旦、相続人申告登記という登記をする必要も出てきますので、詳しくは弁護士などの専門家にご確認ください。遺産分割協議については、期限が決められておりませんが、令和6年4月1日以降、相続登記が義務化されることに考慮すると、早めに着手をすることをおすすめいたします。
まとめ
相続発生後は、さまざまな手続きが待っており、非常に慌ただしい日々を過ごすことになります。 慣れない手続きも多いため、わからないことが多い場合は、早めに弁護士や税理士などの専門家に相談をして、手続きを依頼されるとよいでしょう。
堅田 勇気
Authense法律事務所
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