(画像はイメージです/PIXTA)

国際結婚をしている夫婦が離婚をする場合、日本と海外どちらで暮らしているのか、また外国人の配偶者の国籍国などによって、適用すべき法律や手続きが変わります。
そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、国際離婚について辰野樹市弁護士に解説していただきました。

 

国際離婚、日本の法律に則って慰謝料請求できる?

日本人である相談者は、数年前に外国人の夫と国際結婚をしましたが、コロナの影響で同居することのないまま現在に至っています。

 

しかし一年ほど前から夫が別の女性と会っており、相談者はその女性からの嫌がらせを受けたことから、精神的苦痛により体調が悪化してしまいました。これをきっかけに夫との関係は悪化していき、一度はもとに戻り関係を築こうとしていましたが、夫から再度「関係を終わらせたい」と言われてしまいました。

 

相談者も離婚を受け入れようと思っていたなかで、夫がまだその女性と会っていることがわかったため、女性も含めて慰謝料を請求したいと思っています。夫と女性は、結婚する前から友人として週1〜2回ほど会っていたようです。相談者は、嫌がらせにより体調を崩してしまったこと、また夫とのセックスレスの問題、子どもを諦めていたことなど、様々なことを我慢してきました。

 

そこで相談者は、夫と女性に慰謝料を請求することは可能なのか、ココナラ法律相談「法律Q&A」に相談しました。

本件については日本の法律が適用される

結論から申し上げますと、本件については日本の法律が適用されます。

 

夫については離婚に関する通則法27条で、当事者の一方が日本に常居所地を有する日本人の場合は、日本法が準拠法となります。日本人である相談者は、上記要件を満たすと考えられます。よって、慰謝料請求についても同様に日本の法律(民法)が適用されます。

 

また浮気相手への慰謝料請求につきましては、相談内容からすると、浮気相手から嫌がらせを受けたのは、日本であると考えられます。よって、慰謝料請求についても日本の法律(民法)が適用されます。

慰謝料請求の具体的内容は? 請求は認められるのか

本件の夫に対しては、不法行為に基づく損害賠償請求権が慰謝料請求の内容となります。
相場は50万円~300万円といったところでしょう。ただし、相談内容を前提とすると、慰謝料請求が認められないもしくは減額される可能性があります。

 

夫は、結婚前から浮気行為をしていたとのことですが、相談者は夫と結婚当初から同居をしていないうえにセックスレスであったとのことです。そうなると、結婚という手続きはしているものの、本当は結婚の意思がなかったのではないか、つまり結婚当初から実質的に婚姻関係は破綻していたのではないか、と判断される可能性があります。

 

実質的に婚姻関係が破綻していますと、浮気行為(不貞行為)は違法とならず、慰謝料請求が認められなくなる可能性があります(婚姻関係破綻の法理)。私が、相手方の弁護士であったのであれば、上記主張はすると思います。

 

また浮気相手についても、不法行為に基づく損害賠償請求権が慰謝料請求の内容です。しかし、夫についてと同様の問題が生じうるといえるでしょう。

 

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