(※写真はイメージです/PIXTA)

一貫して増加を続ける日本の空き家数。その大半は「相続」によって発生しています。相続によって実家を取得すると、遠方に暮らしていて事実上の管理が難しかったとしても、所有者としての責務が発生するため我関せず、というわけにはいきません。では「放置空き家」を生み出さないために、どのような対策が有効なのでしょうか。

50代以上は「空き家予備軍」

住宅地の一角にある人気のない老朽化した一軒家。長年の風雨にさらされた軒先は傾き、崩れかかっています。蔦が壁を這い、庭の雑草は伸び放題……。近所からは気味悪がられている「問題物件」です。この一軒家が、あなたの実家の10年後の姿だとしたら……?

 

実はこれ、十分に起こりうる未来かもしれません。

 

総務省によると、日本の空き家数は一貫して増加が続いており、平成30(2018)年10月1日現在における空き家は849万戸。昭和63(1988)年頃の空き家数と比較してみると、戸数がなんと2倍以上に増加していることが分かります(総務省 平成30年住宅・土地統計調査)。

 

空き家数及び空き家率の推移―全国(昭和38年~平成30年)

 

どんどん増えていく空き家ですが、その取得原因のトップは「相続」で、全体の54.6%を占めています(国土交通省令和元年空き家所有者実態調査)。つまり、空き家の大半は、実家の相続によって発生するのです。

 

見えてくるのはこんな家族の肖像ではないでしょうか。

 

地方、もしくは都市郊外の一軒家。夫婦で子どもを育て上げ、現在は老親が残るのみ。子どもは、マイホームを購入して自分の家庭を築いています。あるいは、結婚という選択肢を選ばず、利便性の高い都心のマンションで一人暮らしをしているかもしれません。いずれにしても、子どもが実家に戻る予定はなさそうです。

 

やがて老親にも最期の時が訪れ、実家は空き家になります。あるいは、最期を迎えるよりも前、老親が施設に入所した時点で空き家になることもあります。いずれにせよ、管理の行き届かなくなった空き家は、時間の経過とともに「問題物件」化していくのです。

 

第一次ベビーブームのときに生まれたいわゆる「団塊の世代」が後期高齢者(75歳)の年齢に達するのが令和7(2025)年。その子どもにあたる、およそ50代以上の世代は、大量の「空き家予備軍」であるということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『そうだったのか! 相続のトリセツ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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