売主が不動産エージェントにより得られるメリット
倫理性・専門性・個性を大切にしている不動産エージェントは、売主に次の3つの直接的なメリットをもたらします。
・できるだけ早く売れる
・できるだけ高く売れる
・売りたい方に売れる
倫理性を強くもっている不動産エージェントは物件の「囲い込み」をしないので、販売網を広く張ることができます。より多くの買い手候補や不動産仲介会社の目に留めてもらえるので、早く売れる可能性が格段に上がります。この点だけでも、不動産エージェントに不動産売却を依頼するメリットは大いにあります。
不動産情報を「囲い込み」から解放し完全オープンにすることで、物件を心の底から欲しいと思ってくれる方へ的確にアプローチしていくことができます。希望額での取引はもちろん、ときには購入希望者が殺到し価格が競り上がっていくこともあります。
不動産エージェントは専門的な知識と技術をもっている不動産のプロです。不動産の価値を正しく見極める術にも長けていますし、独自のネットワークを駆使して専門家の協力を仰ぎながら、不動産の真の価値をさらに引き出すことも可能です。ただ単に不動産を売ることに終始するのではなく、どうしたら高く売れるかを深く追求し、従来の不動産仲介会社では到底考えつかないようなアイデアを提供し、より大きな利益を売主にもたらせるのが不動産エージェントなのです。
売りたい方に売れるのも不動産エージェントだからこそのメリットです。「ぜひこの方に買ってほしい」と感じる相手に出会い売却に至れることは売主にとって非常に重要です。気の合うパートナーである不動産エージェントと、忌憚のない意見を出し合いプランを立てていき、納得した売却プロセスを経て、理想とする買主に出会うことができる、この一連の流れがどれほど快適で、後々のトラブルを回避できるかを知ってほしいです。
買主との信頼関係がうまく構築できていないなかでの売却だと、後々不動産に関連してトラブルが発生したとき、より問題がこじれてしまうことがあります。
不動産の売買時に結ぶ契約のなかには、主要の設備に関しての取り交わしが明記されています。しかし契約書のなかに全項目が詳細に言及されているかといえば、そうではありません。
たとえば、契約書に「引き渡し後の3ヵ月以内に給排水管が故障した場合、売主が修繕費用を負担する」と書かれていたとします。この契約内容ですと「故障」の定義そのものが曖昧であり、どこからどこまでの範囲が故障であり費用を売主が負うべきかは明言されていません。買主側が「これは故障だから売主に負担してほしい」と主張しても、売主側が「このくらいは故障に入らない」と反論したら、意見がぶつかり合ってしまうこともあるわけです。
あまり考えたくないことですが、挙句には「給排水に問題があるのに黙っていたんだろう」と、いわれのないクレームにまで発展し、訴訟問題にまで発展することもあり得るわけです。
売主と買主の両者が納得したうえで、気持ちの良い引き渡しができていると、状況はまったく異なります。故障が認められても、買主が「あの売主だから給排水に問題があったことを隠すわけがない」と売主の人柄を考慮した前向きなとらえ方をしてくれれば、問題の深刻化を防ぐことができるのです。場合によっては買主が「このくらいは故障ではないから、自分たちで修繕費を負担しよう」と売主側に負担を求めることなく事態を収束させることさえあります。
売主と買主との間で信頼関係が構築できているからこその円満解決です。不動産取引で終わりではなく、その先のこともしっかり考慮し、買主と売主の幸せを考えて行動するのが不動産エージェントなのです。