(※写真はイメージです/PIXTA)

コンサルタントである松本繁治氏の著書『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』より一部を抜粋・再編集し、日本社会でITシステムの導入が中々進まないワケについて見ていきます。

古い日本の企業に多い…「提案した者が実行しろ」

これらの悪い状況が重なった結果、今の日本のホワイトカラーの仕事の非効率になっている。そしてそれが今のITシステムにも反映されている。

 

この問題を是正しなければならないのだが、一向に改善・改革が進まない。日本企業の業務の中に、優秀で献身的な社員が居る事で成り立っている職種・業務が沢山有り、ある種、職人技の仕事になっている。経営者から見ると、それらの属人的な仕事を排除したいのだが、献身的で職人的な社員はそれを温存しようとする。

 

ITシステムがこの属人的な手法を改善する方法なのだが、それを真っ向から否定しているのが今の日本の現状である。

 

企業によっては社員が問題点を指摘し、改善案を提示したとすると、その上役は、「提案した者がそれを実行しろ」と云ってくる。提案した者の裁量下でできる事もあるが、概ね他部門を巻き込む事になり、提案が実行されないケースが多い。この様な話は古い日本の企業に多く、昨今の品質問題等の原因は多分これであろう。

 

社員は問題点を把握しているが、上長はその問題を解決するために汗を流す事を拒んでいる。比較的活力のある中堅企業ではこの様な社員からの改善提案に報奨金を与え、奨励している場合もある。この様な企業では、改善・改革は比較的容易に進める事ができているであろう。

 

 

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松本 繁治

ルイジアナ州立大学工学部卒、同大学大学院中退。

日米の製造メーカに勤務後、外資系IT企業や外資系コンサルティング企業にてコンサルタントとして10年以上の活動を行う。一時期、家業である製造メーカで経営を支援。

2009年以降は独立してコンサルティング活動を継続中。

※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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