「フィリピン経済」成長の鍵を握る「海外からの投資誘致」拡大への目論見

11月7日週「最新・フィリピン」ニュース

「フィリピン経済」成長の鍵を握る「海外からの投資誘致」拡大への目論見
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、フィリピンの経済成長を語るうえで欠かせない、海外からの投資の動向についてみていきます。

オンラインカジノ、続々撤退もオフィス市場は強気

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フィリピンのオフショア・ゲーミング オペレーター(POGO)の撤退により、65万平方メートル(sq.m.)の空きオフィス スペースが提供されるが、賃貸取引活動の活発化と需要の取り込みによって相殺される可能性があるとグローバル不動産調査会社・コリアーズ フィリピンは述べています。

 

オフィス セクターは、POGOへの依存度を低下させています。POGOの半分はすでにフィリピンから撤退したと見られています。POGOのオフィス在庫全体に対する現在の貢献はわずか5%に過ぎません。

 

コリアーズのレポートによると、9月時点のマニラ首都圏のオフィス全体の空室率は、1年前の15.7%から17.7%に増加し、240万平方メートルに達しています。9月までの9ヵ月で、総オフィス賃貸面積は 1,340万平方メートルに達しました。現在、約240万平方メートルの在庫があり、POGO以外のオフィスの需要を完全に吸収するには、約5年かかる見通しです。

 

POGOが完全になくなると、約65万平方メートルが追加されるので、約310万平方メートルがオフィス在庫となります。POGOの撤退によってもたらされるオフィススペースを追加すると、オフィス在庫の合計をカバーするのに6〜7年かかる見通しです。

 

しかし、コリアーズは、オフィス市場がPOGOの撤退を恐れてはならない 2つの理由を特定しました。第一に、 現在、四半期ごとのリーシング活動が堅調であること、第二に、今後も堅調な需要の取り込みが見られるとことです。

 

したがって、POGOの完全な撤退が行われたとしても、オフィス市場の大暴落することはないとしています。なぜなら、オフィス市場全体に占めるPOGOの割合が非常に低くなっているからです。

フィリピン…海外投資誘致の行方

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今回見てきた海外からの投資誘致(Foreign Direct Investment)は、フィリピン経済の活性化にとって非常に重要な課題です。一方で経済が発展中の新興国であるフィリピンでは、自国の権益や企業を保護するという観点もあり、政府はバランスを持った施策を模索しています。

 

再生可能エネルギー分野は、国の最重要政策分野であり、外資規制が緩和されれば、多くの外国企業やファンドが進出してくる可能性が高い分野です。

 

日本のJERA(東京電力と中部電力合弁会社)は、前述のフィリピン電力会社Aboitiz Powerに出資していますし、 米大手ファンド・KKRは、フィリピンのエネルギー企業・First Gen社に出資しています。

 

一方で、オンラインカジノ分野については、コロナ前に多くの中国企業がフィリピンに進出してきた実績がありますが、フィリピン政府の意向としては、これを繋ぎ止めるというよりは、新たな持続性のあるBPO企業の誘致に切り替えていく方向性に見えます。

 

コロナで対外債務が増加している状況下、今後土地の所有権など主要分野での外資規制の緩和が進む可能性もあり、これは、外国人投資家が目を離せない分野です。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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