0.25%の利上げを実施
■11月1日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利の目標を0.25%引き上げて、2.85%としました。RBAは今年5月以降、連続して利上げを実施しており、その利上げ幅は合計で2.75%に達しました。声明文では、物価の安定は強い経済と完全雇用の持続のための前提条件だと述べられており、RBAはインフレ率を物価目標(2~3%)の範囲に戻すことを最優先事項としています。
インフレはRBAの目標を大幅に上回っている
■10月26日に発表された豪州の7-9月期の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比+7.3%と依然RBAの目標を大きく上回り、過去最高水準となりました。また、変動の大きい項目を除外した、基調的な物価を示すトリム平均値では同+6.1%となりました。RBAの中心的な予測では、インフレ率は2022年内に8%前後となってピークを迎え、2023年には4.75%前後、2024年末には3%をやや上回る程度となり、徐々にRBAの物価目標に向かって低下していくと見られています。
今後の展開:これまでの利上げの効果を注視、引き続き底堅い成長が続こう
■豪州の7-9月期のCPIが高水準だったこともあり、一部では0.5%の利上げを予想する向きもありましたが、今会合の0.25%の利上げは概ね市場予想の通りでした。RBAは声明文で、金融政策にはタイムラグがあり、これまでの金利上昇の完全な効果はまだ表れていないとの認識を示しつつも、今後もさらに利上げを実施することを示唆しました。今後は、世界経済の減速や、これまでの利上げの効果により豪州経済の成長ペースは緩やかになると見られますが、RBAの予測では2023年、24年は前年比+1.5%と底堅い成長を維持すると見られており、豪ドルは底堅い推移が見込まれます。
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三井住友DSアセットマネジメント株式会社