(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、早稲田リーガルコモンズ法律事務所が提供する、所属弁護士によるコラムを一部抜粋・再編集したものです。

 

どんな成功者も褒められて働く方が仕事の質がよい

この問いに対しデール・カーネギーは、優れた心理学者ウィリアム・ジェイムスの言葉を借りて、こう述べている。

 

「人間の持つ性情のうちで最も強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」

 

「他人のこのような心の渇きを正しく満たしてやれる人はきわめてまれだが、それができる人にしてはじめて他人の心を自己の手中に収めることができるのである。」

 

(デール・カーネギー『人を動かす 新装版』(創元社・1999年)より引用)

 

さらにデール・カーネギーは、チャールズ・シュワッブの言葉を引用して、人を動かす秘訣を次のように説明している。チャールズ・シュワッブとは、1921年にUSスチール社が設立されたとき、アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが社長に迎えた人物である。

 

「私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。これが、私にとっては何物にも代えがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。私は決して人を非難しない。人を働かせるには激励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える」

 

これが、シュワッブのやり方である。ところが、一般の人はどうか?まるで反対だ。気に入らなければめちゃくちゃにやっつけるが、気に入れば何も言わない。

 

「私は、これまでに、世界各国の大勢の立派な人々とつきあってきたが、どんなに地位の高い人でも、小言を言われて働く時よりも、ほめられて働く時の方が、仕事に熱がこもり、出来具合もよくなる。その例外には、まだ一度も出会ったことがない」

 

(デール・カーネギー『人を動かす 新装版』(創元社・1999年)より引用)

 

もちろん上司も人間である。そう簡単にできるものではない。とはいえ、どのようなコミュニケーションが「よい指導」なのか、その方向性は社内で共有することが求められる。

 

原島 有史

早稲田リーガルコモンズ法律事務所 弁護士

 

本連載は、早稲田リーガルコモンズ法律事務所が提供する、所属弁護士によるコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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