「井上式B/S面積グラフ」とは?
わかりづらいB/S(貸借対照表)を、どうすればわかりやすくできるか?ということで、それぞれの数字の大きさを、面積で表したものが、井上式B/S面積グラフ です。
例えば、業績会議や営業会議の資料などでも、数字がビッシリだと、わかりづらく、一目で状況判断ができません。そんなとき、棒グラフにしたり、折れ線グラフや円グラフにしたり、ということをします。そのほうが、参加者一同、簡単に理解できるからです。
B/Sも、それと同じことなのです。また、数字をグラフ化する時、全体の中でウエイトが小さいものは、〝その他〞などとして表記しますね。これについても、B/Sの場合も同じです。
B/Sをグラフ化したものが、下記の図表1です。
《貸借対照表》B/Sをグラフ化してみる
【図1】
データや数字は、グラフや図にすることで、わかりやすくなります。B/S(貸借対照表)は、現在の財務状況をデータ化したものです。ならば、そのデータを図にし、わかりやすくすればよいのです。
負債や資産の中身をグラフ項目の面積で示す
グラフの左側は資産の部、ですね。縦に、流動資産と固定資産のグラフがあり、その右隣に、現預金、売掛金、建物、土地、など、その内訳がグラフ化されています。
流動資産と固定資産のどちらが大きいか。資産の部の中でも、何が大きなウエイトを占めているのか?ということが、これで一目でわかりますね。
そしてグラフの右側は、負債の部と自己資本の部、です。負債の部は、縦に流動負債と固定負債に分けます。なので、右側は、大きく3つの項目に分かれます。流動負債・固定負債・自己資本、です。そして、それぞれの中身を、面積で示してゆくのです。
借入金はどれくらいあるのか、自己資本は全体のどれくらいを占めているのか?といったことが、一目でわかるようになります。それぞれの項目を色分けして、見やすくする、ということも、理解・判断を早めるポイントです。
ただし、いくらグラフ化しても、それぞれの面積が大きいとか、小さいとか、ということが、いったい何を意味しているのか?ということがわからなければ、せっかくのグラフも活用できません。
B/Sは、現状の財務状況を表したものです。財務状態が良いのか、悪いのか、判断できるようになるため、後の記事で事例紹介をしてゆきます。
“わかりづらい”を理由にB/Sを避けるのではなく、面積グラフ化して、“わかろう”と取り組んでみよう!
(面積グラフの作り方は、書籍『経営者の財務力を一気にアップさせる本〔補訂版〕』終章「井上式B/S面積グラフの作り方」にてご紹介しています。)