企業マネジメントのプロが「組織図はシンプルなほどよい」と言うワケ

企業マネジメントのプロが「組織図はシンプルなほどよい」と言うワケ

組織図はほとんどの企業にありますが、その内容は複雑なことも多いです。しかし、企業マネジメントのプロは、「組織図はシンプルなほどよい」と言います。なぜなのでしょうか、みていきましょう。

 

組織図は「機能の定義」が先、その次に「人の配置」

組織図は、組織を立ち上げる際に最初に作らなければいけないものです。組織図は人が先ではなく、機能を定義することから始めます。つまり、「この人はwebマーケティングが得意だから、マーケティング部門に配置する」ではなく、「会社にはwebマーケティングの機能が必要なので、そのポジションを用意し、社員をそこに当てはめる」という順番です。

 

人の能力を見ながら組織図を作ろうとすると不要なポジションが増えていきます。業務が俗人化し、何人採用しても人手不足が解消されなかったり、目の前の事業戦略を実現するために必要な機能が不明になったりして、実務が滞ってしまうのです。現状の事業戦略を実現するためにどんな機能が必要なのかを定義し、役職をつくり、必要なチームの規模を明確にすることで、戦略的な布陣を固めることができるでしょう。

 

そして、そのポジションに適した人材を現在いる社員のなかから、または外部から採用して準備していきます。機能の定義が先であり、人は最後に配置される。組織図は戦略を実現するための骨格です。

「ダメな組織図の典型」とは?

事業戦略を実現するために、リーダーには多くの意思決定が、部下にはその指示を実行することが求められます。上司と部下がそれぞれの役割を迷いなく果たすために、組織図では指示系統が明確にされていなければなりません。誰が上司で、誰が部下なのかが判然としていて、指示は直属の上司のみが出す状態にすることでロスタイムを防ぐことができます。

 

上司が2人設定されている組織図をよくみかけます。これは、ダメな組織図の典型です。上司が2人いたら、その2人が異なる指示をひとりの部下に出すこともあるでしょう。すると、部下はどちらの上司の指示を聞けばよいか迷い、上司を選択し始めます。戦略的な優先順位ではなく、部下の感覚や好き嫌い、2人の上司間のパワーバランスなど、戦略実行と無関係な理由で指示が選択される場合があるのではないでしょうか。

 

このような事態を防ぐために、組織図で指示系統をひとつにまとめておくのです。実務上横の兼任があり、状況によっては指示を出す人が複数出ることがあるかもしれませんが、上司はひとりと定義し、優先順位は組織図上の上司であると明記することで、部下が集中して仕事に取り組むことができます。

 

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