節税しながら老後資金を貯める「iDeCo」という選択肢
若い夫婦が資産形成について悩んでいます。そんな2人に公認会計士のK先生は「老後資金2,000万円を貯めるために開くべき個人口座はiDeCo」だと教えてくれました。しかし、会社員の掛金には上限があり、毎月2万円ちょっとしか貯めることができません。
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【iDeCo】所得控除と運用益非課税で節税しながら老後資金を作る【第5話】
もっと貯めるには、どうすればよいのでしょうか?
ひとつの選択肢として「つみたてNISA」があります。NISAの口座を利用して運用を行うことで、利益に税金がかからなくなるのです。無駄なくお得に貯蓄して、老後資金を準備しておきましょう。
利益に税金がかからない「つみたてNISA」
夫:K先生、iDeCo以外にも税金がお得になる個人口座があるって言っていましたが、本当ですか!?
K先生:あります。「つみたてNISA」です!
妻:そちらの口座も、税金がお得になるんですね?
K先生:iDeCoのような所得控除はないのだけれど、利益に対する税金がかからないのはiDeCoと同じだから、とてもお得だよ!
「iDeCo+つみたてNISA」で十分な老後資金を形成!
夫:いいですね! iDeCo2万円とつみたてNISA1万円を組み合わせたら、毎月3万円を老後のために貯蓄できますね。もっと金額を増やすことはできますか?
K先生:いや、つみたてNISAは年間40万円の上限があるんだ。毎月3万円ちょっとだね。
妻:つみたてNISAで3万円貯めるとすれば、iDeCoと合わせて5万円ですね!
K先生:そこまでがんばって貯蓄を続けることができれば、老後資金は安心だね。
毎月の貯蓄金額は、会社員2割・自営業3割が目安
夫:うーん、でも、ちょっと多すぎませんかね? 私の毎月のお小遣いが足りなくなってしまいそうです…。
K先生:いや、一般的に、幸せな老後の生活を送るためには、会社員だと、給料の手取り額の2割くらいは貯めるべきだといわれているんだ。自営業者だと3割くらいかな。年収500万円で給料の手取り額が毎月30万円の会社員だと、その2割を貯めるとして毎月6万円だ。だから、君も毎月5万円くらいは、頑張って貯めないといけないぞ。
妻:毎月6万円だと、30年後にどれくらい貯まりますか!?
K先生:それだと5,000万円くらいになるから、老後資金2,000万円問題は楽勝でクリアできるね! 医療費や介護費用まで心配ないね。
利回りの信頼性…「インデックス・ファンド」は安心?
妻:でも、インデックス・ファンドで本当に利回り5%で増え続けるんでしょうか?
K先生:そうなる可能性が高いよ。これまでの実績データを見ると、全世界の平均株価は30年前と比較して6倍の株価まで上がったんだ。
妻:それでも、株価が下がることが心配です…。バブル崩壊とかリーマン・ショックで株価が一気に下がることもありますよね?
K先生:そんな暴落があっても、株価は5年後に元の水準まで戻っているんだよ。短期で下がることがあっても、長期では上がり続けているんだね。
妻:そうなんですね! やっぱり銀行預金で持っておくよりも、インデックス・ファンドのほうがよさそうですね。
K先生:そうだね。ときどき大きく下にブレるので、そのときは不安になるけれど、それをグッと我慢してやり過ごしたら、30年後には必ず増えているはずだよ。
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【積立てNISA】で老後資金を節税しながら貯める方法【第6話】
インデックス・ファンドの商品は、全世界株式を選択!
夫:K先生、質問です。iDeCoとつみたてNISAの口座では、自分で金融商品を選択しなければいけないようです。インデックス・ファンドには、
★国内株式を集めたもの
★外国株式を集めたもの
★全世界の株式を集めたもの
の3種類がありますが、どれを選択すればよいでしょうか?
K先生:インデックス・ファンドは「具材全部乗せラーメン」だったよね(『産運用にくわしい公認会計士が「インデックス・ファンド」をお勧めするワケ』参照)。作るのがラクだし、中に嫌いな具材が1つか2つくらい入っていても、全体として美味しいラーメンが食べられるようにするために。
妻:そうですね、「具材」が偏らないように、満遍なく乗せておきたいですね。
K先生:国産の具材しか入っていないラーメンを出せば、和食が大嫌いな人は食べられなくなってしまうかもしれない。でも、国産と外国の具材の両方を入れておけば、ラーメンが食べられないことはないよね。
夫:なるほど、そうすると、インデックス・ファンドは、国内と外国の全部乗せ、全世界株式を集めたものがいいってことですね!
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岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士
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