資産運用のためのお金、いくら準備するべき?
個人が資産運用を開始するにあたり、いくらぐらいからスタートすべきなのでしょうか?
若いご夫婦から資産運用の相談を受けた公認会計士のK先生は「自分が許容できるリスクの大きさを決めることで、運用する金額が決まる」といっています。
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では、金額の目安がついたところで、今度は商品選びです。どのような金融商品を選択すればよいのでしょうか?
「手数料の安い金融商品」を購入しよう!
夫婦:運用すべき金額は、自分が許容できる損失額によって決まるということは理解できました。では、どんな金融商品を買えばよいのでしょうか? 証券会社にお勧めされたファンド・ラップとか、やっぱり駄目ですかね…?
K先生:絶対にダメです。ファンド・ラップは史上最低の商品です。手数料の高いボッタクリ商品ですよ!
夫:そ、そうなんですか…(汗)。では率直なお話、どんな商品がいいんでしょう?
分散投資でリスクを減らす、インデックス・ファンド
K先生:それは…「インデックス・ファンド」だッ!
妻:どんな商品ですか?
K先生:君たちはラーメンを食べるよね? トッピングの具を全部のせてしまう〈全部のせ〉ラーメンは食べたことあるかな?
夫婦:はい、あります。
K先生:インデックス・ファンドは、株式の「全部のせ」なんだよ。証券会社で売買されているすべての株式を集めて作った投資信託なんだ。公認会計士である私が、唯一お勧めできるのは、ファンド・ラップではなくて、「インデックス・ファンド」なのだよ。
夫:ええっ、全部の株式ですか? GAFAみたいな優良企業の株式だけを厳選したほうがよくないですか?
K先生:ここは専門家やプロに色々な意見が出てくるだろうけど、ひとつだけ真実を伝えておくと、「できるだけ幅広く株式を持つほうがいい」っていうことなんだ。これによって、価格変動するリスクを減らすことができるんだね。
インデックス・ファンドの運用コストが安いワケ
妻:そうなんですね。でも、全部を集めるとなると、商品を作るのが大変でしょうね。
K先生:いや、逆なんだよ。「全部のせラーメン」だと、お店で出している具材を、何も考えずにすべて乗せればいいよね。それなら新人アルバイトの学生さんでも作れるでしょ。それと同じで、インデックス・ファンドの運用の費用はとても安いんだよ。
妻:投資信託って、運用するのに費用がかかるんですね。
信託報酬=投資信託にかかる手数料
K先生:そうだね。預けている金額から「年に何%」といった計算で、費用が差し引かれることになるね。これを「信託報酬」っていうんだ。
夫:なるほど。管理手数料みたいな感じですね!
K先生:そう。インデックス・ファンドの費用は年に0.1%~0.2%くらいで安いんだよ。100万円を運用しても、年間に取られるのは1,000円や2,000円。「アクティブ・ファンド」を買うと、年に1%や2%も取られるから、10倍も違うんだよ。
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プロが選び抜いて組成するのが、アクティブ・ファンド
妻:先生、その「アクティブ・ファンド」って何ですか?
K先生:アクティブ・ファンドというのは、一流シェフが作った「最高級のトッピングを乗せたラーメン」だよ。高級なイクラやウニが乗ってる、みたいな。
妻:ラーメンにイクラやウニなんて嫌なんですが(汗)。それに、そんな高そうなラーメン、私には注文できないですよ。
K先生:そうだね。一流シェフが作ったからといって、美味しいとはかぎらないよね。なにより値段も高くなるし。だから、アクティブ・ファンドは必ずしもいい商品とはいえないんだ。
銀行や証券がインデックス・ファンドを提案しないワケ
夫婦:そういえば、私たちが証券会社で相談したとき、インデックス・ファンドは1本も提案してくれませんでした。なぜでしょうか?
K先生:費用が安いってことは、つまり、彼らが売っても儲からないってことだよね。そんな商品を売りたいとは思わないのは当然でしょう?
夫婦:あっ、そういうことなんですか…。
K先生のレクチャーのまとめ
●「ファンドラップ」は手数料が高く、お勧めできない
●「アクティブ・ファンド」は手数料が高く、お勧めできない
●投資をスタートするなら、まずは「インデックス・ファンド」がお勧め
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岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士
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