資産運用なら、個人向け国債とインデックス・ファンド
若い夫婦が資産形成について悩んでいます。そんな2人に公認会計士のK先生が出した答えは「資産運用のために選択すべき金融商品は、個人向け国債とインデックス・ファンド」というものでした。
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手数料の高い投資信託「アクティブ・ファンド」の成績が悪いのはなぜ?【第4話】
それでは、金融商品はどこで買って、どこに置いておけばいいのでしょうか?
手数料の安いネット証券でインデックス・ファンド運用
夫:よーし! ネット証券の口座も開いたぞ!
妻:K先生のご指導にしたがって、インデックス・ファンドを買ってみましょう!
K先生:そうか、よかった! ネット証券は手数料が安いからいいね。
年間5%の利率…30年でどれくらいの儲けになる?
夫:実はまだ心配なんです。インデックス・ファンドでも年間5%くらいしか儲からないんですよね。300万円を運用しても1年間で15万円の利益です。こんなペースで老後資金2,000万円なんて実現できるのでしょうか?
K先生:いまから毎月コツコツと貯めていけば、必ず実現するよ。たとえば、いまから毎月3万円ずつ買い続ければ、30年後にはいくらになっていると思う?「3万円×12ヵ月×30年」だと、1,080万円の投資だね。
妻:そうですね…。あれ? 5%の利回りですから1,200万円くらいではないですか?
K先生:いや違う、2,500万円くらいになるんだ。
複利の力なら大きく資金を増やせる!
妻:ええっ! そんなに増えますか?
K先生:そうだよ、雪だるま式に増えていくんだよ。小さな雪玉を転がし始めると、雪がくっついて大きくなり、その玉にまた雪がくっついて、最後は大きな雪だるまになるでしょ。金融商品もそれと同じなんだよ。稼いだ利益を運用に回せば、またそれが利益を生んで、どんどん増えていく。これを「複利効果」っていうんだ。
節税効果のある2種類の投資方法について
夫:なるほど、すごいですね! でも…大儲けしても、税金をガッポリ取られるんじゃないですか。
K先生:その点はね、税金が安くなるお買い得情報があるんだけど、聞いてみるかい?
夫:えっ、どんな情報ですか!?
K先生:税金が安くなる特別扱いの口座があるんだよ、「iDeCo」と「NISA」だ。聞いたことあるかな?
夫:うーん、ありません…。
節税できる口座、iDeCoで年金原資を積み立てよう
K先生:では、iDeCoから説明しましょう。これは「確定拠出年金」と呼ばれるもので、自分で金融商品を積み立てる年金なんだ。
夫:老後資金をコツコツ貯めるわけですね!
K先生:そうだよ。会社員だと掛け金に上限があるから、毎月2万円貯めるとしよう。年間24万円だね。この24万円の全額が君たちの所得から控除されるんだ。
所得控除で、税金の対象となる所得を合法的に減らせる
妻:あの…「所得控除」とはなんでしょうか?
K先生:所得控除というのは「税金の計算から差し引いてくれる」ってことだよ。つまり、会社員の君たちが稼いでいる給与のうち24万円に対して、税金がかからなくなるようなイメージかな。年収600万円の会社員だと10%くらい税金を取られているから、24万円を差し引くと「×10%」で2万4,000円分の税金が減るってことだ。30年間続ければ72万円も税金を減らすことができるね。
妻:それはお得ですね!
K先生:ただし、年金を受け取るときにある程度は税金を取られるから、ものすごくお得っていうわけではないけどね。
夫婦:簡単に儲かる話はないですねぇー。
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【iDeCo】所得控除と運用益非課税で節税しながら老後資金を作る【第5話】
運用利益も非課税になる!複利の効果を底上げしよう
夫:まずは、2万円はiDeCoで運用に決定ですね!
K先生:いや、実はもうひとつお得な話があるんだよ。NISAだ。運用している間に稼いだ利益に対して税金がかからないんだ。こちらにも複利効果が効いてくるから、預けたお金が雪だるま式に増えることになるね。
妻:先生、それも教えてください!
K先生:NISAは次回くわしく説明しよう!
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岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士
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