(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年も残すところ2ヵ月あまり、所得税・住民税のことが気になる季節になりました。申告によって控除を受けられる制度の一つに「医療費控除」があります。医療費が一定額を超えた場合に利用できる制度ですが、控除対象となる費用には「え? こんなものが?」というものがあり、実はかなり使い勝手のよい制度です。本記事では、医療費控除の意外な控除対象についてお伝えします。

こんなものまで?医療費控除の対象となる意外な費用

医療費控除は、医師等の診療や治療、療養のために直接必要なものであれば、広く対象となります。したがって、なかには、「こんなものまで対象になるのか」と思ってしまうような意外な費用もあります。

 

交通費

医師の診療・治療を受けるために通院するのにかかった交通費は、公共交通機関を利用した場合、医療費控除の対象となります。

 

これは「9.医師等による診療、治療、施術または分べんの介助を受けるために直接必要な諸費用」として扱われます。

 

通院のついでに買い物や寄り道をした場合でも、その交通費が、医師の診療・治療を受けるため直接必要であったといえる限り、対象から除かれる理由はありません。

 

タクシーを使った場合は、原則として医療費控除の対象とはなりません。ただし、駅やバス停まで自力で移動するのが困難だったなど、やむを得ない事情があれば、医療費控除の対象となります。

 

なお、マイカーを使った場合のガソリン代と駐車場代は対象となりません。

 

歯科のインプラント治療、歯列矯正等の費用

インプラント治療は健康保険の適用外ですが、治療費が不相当に高額なものでなく一般的な水準を超えなければ、医療費控除の対象となります。

 

また、歯列矯正についても、不正咬合(ふせいこうごう)の治療のためであれば、医療費控除の対象となります。

 

視力回復のため受けた施術の費用

オルソケラトロジーやレーシック手術といった視力回復のための施術は、衰えた視力を元に戻すという意味での治療にあたるので、その費用が医療費控除の対象となります。

 

 

マッサージ、鍼灸の費用

国家資格(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)がある人から「治療」のための施術を受けたのであれば、対象となります。

 

ただし、疲労回復や体調を整えるためのものは「治療」にあたらないので、対象となりません。

 

あくまでも、「治療」目的でなければなりませんので、その点は整骨院等に確認することが必要です。

 

市販の薬、湿布等の代金

ドラッグストアや薬局で購入した医薬品が一定の要件をみたす場合、「セルフメディケーション税制」といって、年間12,000円を超えた額について所得控除を受けることができます。

 

これは医療費控除の特例なので、セルフメディケーション税制を利用したら、通常の医療費控除を受けることはできません。

 

購入した医薬品がセルフメディケーション税制の対象かどうかは、パッケージに「セルフメディケーション 税 控除対象」という「共通識別マーク」が表示されています。また、レシートにも「★」などで印字されることになっています。

 

したがって、レシートは必ず保管しておくことをおすすめします。なお、ネット上で購入した場合は領収書が必要です。

 

従来は対象が「スイッチOTC医薬品」に限られていましたが、2022年から一部の「非スイッチOTC医薬品」も対象にそれ以外のものも含まれるようになっています。

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