デジタルを活用することによって「コスト削減や利益率向上」が見込まれる企業のDX。しかしDXの真の目的はそこではないといいます。みていきましょう。

 

DXに近づくための「共創」とは?

サプライチェーン全体の変革をもたらす「泥臭い共創」

ではどうすれば、DXに一歩でも近づくような共創ができるでしょうか? ポイントは、「泥臭い共創」にあると考えています。「泥臭い」とは、洗練されていない・やぼったいというある種、マイナスイメージの意味もありますが「ひたむきに」「粘り強く」といった意味もあります。ここでいう「泥臭い」は後者の意味であり、壁に当たっても諦めずに前に進むことを意味します。

 

たとえば、企業間での共創活動において、マーケティング広告の効果をあげるための新たな施策を打っていく場合を考えます。すると、ほとんどの場合で「人がいない」「時間がない」「お金がない」といった障壁に遭遇します。このときに、「人がいない分はOOによって補いましょう」「時間が足りない分は一部弊社でカバーし、OOは優先度を落としましょう」「OOから小さくテスト的に始めることでお金は抑えられます」といえるかどうかがキーになります。

 

作ろうとしている未来は誰にもわからないものであり、かつお互いにリスクを背負っているという前提に立ち、一歩前に進む策を打ち続けることが共創の重要なプロセスになります。多額の投資をして実現する、時間をかけて実現することは、ここでは誤った考え方になります。

 

そのほかにも、単発の活動に終わるのではなく、定常的に価値実現できるまで伴走できるかどうか、その道のりにおいて価値の効果を測りながらPDCAを回せるかどうか、という点もポイントになると考えます。

 

これらすべてが「泥臭い」共創のうえに成り立ち、その小さな一歩一歩がDXへの確実な歩みとなります。そしてさらには、数々の壁を乗り越えることで現場担当者の人間力も養われ、共創パートナーとして企業間の良好な関係性を構築し、サプライチェーン全体の変革をもたらすと考えています。

 

共創は将来への小さな投資の積み重ねでもあり、既存の事業の成り行きや人材や組織に左右されがちな面がありますが、一方で、共創なくしてDXの実現は成しえません。世界をリードする日本社会・日本経済の復活に向けて、すべての経営者が勇気をもって共創を推進する世の中になってほしいと願いながら、私自身も価値共創が当たり前になる社会の実現を目指していきます。

 

 

山口 真広

コニカミノルタ株式会社

AccurioDX ブランド責任者

 

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