(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年4月の年金大改正では、原則65歳から受給する公的年金を75歳まで繰り下げられるようになりました。受け取り始める年齢を繰り下げれば、その分年金額は増えていきます。しかし額面ベースほど手取り額は増えない可能性があります。結局、何歳から年金をもらうのがトクなのでしょうか。「年金受給」の開始をどう考えたらいいか、一緒に見ていきましょう。

平均余命で考える年金受給開始年齢

結局、年金を何歳から受け取り始めれば、生涯にわたって受ける金額の総額がもっとも多くできるのでしょうか。その悩ましい問題の答えは「寿命」という不確実な要因に左右されてしまいます。

 

100歳まで確実に生きることがわかっていれば、受給開始年齢を75歳まで繰り下げて「1.84倍」に倍増された年金を25年間受給するのがベストな選択です。しかし、人は「何歳まで生きることができるか」は誰にも分かりません。

 

そこでまずは、平均余命(平均寿命)で考えてみましょう。

 

厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳で、過去最高を更新した2020年(完全生命表)と比較して男性は0.09年、女性は0.14年下回りました。

 

男性の場合の平均余命は下記。

 

60歳の場合…24.02年(84.02歳)
65歳の場合…19.85年(84.85歳)
70歳の場合…15.96年(85.96歳)
75歳の場合…12.42年(87.42歳)

 

繰り上げ受給した場合、額面の損益分岐点をクリアしていますが、手取りでは損益分岐点に届きません。

 

では、実際にこれまで年金の繰り上げ受給、繰り下げ受給をしてきた人はどれだけいるでしょうか。

 

注:厚生年金の平均年金月額には基礎年金月額を含む。 <厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2019年度)>
注:厚生年金の平均年金月額には基礎年金月額を含む。
<厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2019年度)>

 

繰上げ受給を選択した人は、国民年金では12.4%、厚生年金では0.4%となっています。一方、繰下げ受給を選択した人は、国民年金では1.5%、厚生年金では0.9%となっています。繰下げ受給を選択するとその分年金額が増えますが、選択する人は意外と少ないのが実態です。

 

<「高年齢者雇用安定法」の一部改正(2021(令和3)年4月施行)で、70歳までの就業を確保する措置(努力義務)が取られるなか、長くなる老後の経済的安定を求めて、今後は繰下げ受給を選択する人が増える可能性があります。>

 

こう予測するのは公益財団法人生命保険文化センターです。

 

年金の受給開始年齢を決めるのは、自分自身です。あなたはどう考えますか。

 

GGO編集部

 

 

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