これからの時代は資産運用したほうがいいとわかっていても「損をするリスク」を考えると、二の足を踏んでしまいます。しかし、それでは先に進めませんから、まずは資産運用における「リスク」と「儲け」について学びましょう。「自分が許容できるリスク」が見えてくれば、運用できる金額も決まり、「わからないという恐怖」から解放されます。公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

資産運用におけるリスク=資産が減っても許せる金額

二人三脚で貯蓄に励んだ若い夫婦は、最初の目標だった300万円を達成。しかし今度は、資産運用について頭を悩ませています。リスクを取るのは怖いけれど、普通預金にしていたら、インフレで目減りしてしまう…。そんな2人の相談に乗ったのは、ベテラン公認会計士のK先生です。

 

夫婦:K先生、資産運用にはリスクが伴うといわれていますが、「リスク」について教えてください!

 

K先生:資産運用における「リスク」とは、「どこまで資産を減らすことを許せるか」という意味になりますね。絶対に減らしたくないのか、それとも、ある程度減るのを許せるか、リスクの大きさを事前に決めておくことが重要だね。

 

夫:私は自分のお金を絶対に減らしたくないです。そして、毎年5%くらいは増やしていきたいです。そんな商品ありますか?

 

K先生:そんな商品はないね(キッパリ)。もし売られていても、詐欺かインチキ商品だね。

 

夫婦:そうなんですね…。

 

K先生:5%の利回りだと、それなりにリスクはあるんだよ。

 

★資産運用のリスクとリターンの関係はこちらをチェック

資産運用にはリスク許容度に応じた我慢が必要!【第2話】

「儲けは少ないが、リスクが低い商品」ならある

夫:でも…。お金が減るのはイヤですよね。

 

K先生:選択肢は2つあるよ。ひとつは、損するリスクを承知で、高い利回りが期待できるような商品。もうひとつは、損はしないけれどちょっとだけ儲かる商品だ。

 

妻:私は、儲けは少しだけでいいです。ただ、絶対に損するのは嫌です!

 

K先生:それなら「個人向け国債・変動金利型10年満期」がいいよ。

 

夫:でも、財務省の官僚が『国家財政が破綻する』とかいってますよ! 破綻したら、国債は紙クズになるんじゃないですか ?

 

K先生:アハハ。そんな話は、まともに信じないほうがいいよ。では聞くけれど、日本という国家が破綻する可能性と大手都市銀行が倒産する可能性、どちらが高いと思う?

 

夫:それは、銀行の倒産ではないですか? 過去に倒産した銀行ってありましたよね?

 

K先生:そうそう。国債は銀行預金より安全なんだよ。しかも、最低金利が0.05%に設定されていて、銀行預金の金利よりも5倍くらい高いんだ。だから、個人向け国債・変動金利型10年満期がオススメなんだよ。

まずは「失っても耐えられる金額」を考える

夫:そうなんですね! でも、0.05%だと100万円を運用した利益はたったの500円ですよね…。もうちょっと儲かる商品はないですか?

 

K先生:それでは、リスクを承知で利回り5%の商品についても考えてみようか。ここで質問だけど、君は資産運用でいくらまでなら損失を我慢できるかな?

 

夫:うーん、いま貯金が300万円あるので、その半分の150万円くらいでしょうか?

 

K先生:利回り5%の金融商品って、こんなイメージなんだよ。100万円を運用したとして、儲かるときは1年間で40%くらい上がる。損するときは1年間で30%くらい下がる。それで平均してみると、5%くらい上がっている、つまり平均すると5万円くらいは儲かっているという感じだね。

 

夫婦:30%くらいの損失なら、我慢できそうです。

 

★知らないと損!? インデックスファンド投資についてはこちらをチェック

衝撃の真実!インデックスファンドはすごく儲かる!【第3話】

利益を増やすために「リスク許容度」を計算しよう

K先生:そこで、この30%の損失から逆算してみよう。君が我慢できる最大の損失150万円が全体の30%だったとすると、逆算してみれば、500万円まで運用することを考えられそうだね。

 

夫婦:なるほど! 最悪の状況を想定しておけば損失も怖くないってことですね。

 

K先生:そうだね、これを「リスク許容度」っていうんだ。損失を我慢できる人もいれば、そうでない人もいるってことだね。

 

K先生のレクチャーのまとめ

 

①「絶対に損せず、儲かる商品」は、サギかインチキ

②国家財政が破綻しそうだから国債は買わない、というのはナンセンス。破綻リスクは日本の破綻リスクより、銀行の方が高い

③「リスク許容度」が理解できれば、自分がどの程度の金額まで運用できるか見えてくる

 

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「ファイナンシャル・プランナー(FP)が注意すべき法律」税理士法、保険業法、金商法、弁護士法

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

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