(写真はイメージです/PIXTA)

ロシアによるウクライナ侵攻や、中国のロックダウンなどの様々な出来事があった2022年。それを踏まえ、2023年の世界経済見通しはどうなるのでしょうか。ニッセイ基礎研究所、高山武士氏の分析です。

IMFの悲観シナリオ

(注)網掛け部分は信頼区間(10~90%タイルを10%刻みで網掛け) (資料)IMF
[図表5]悲観シナリオによる見通し (注)網掛け部分は信頼区間(10~90%タイルを10%刻みで網掛け)
(資料)IMF

 

今回、IMFは過去のショックをもとにベースライン予測に関する不確実性の分布を推計しており、82年のような高インフレと成長減速といったショックの可能性を高く見積もった場合、約25%の確率で23年の成長率が2%を下回ると試算している(図表5)。

 

さらに、下方リスクを踏まえて、下記を織り込んだ悲観シナリオも用意している。

 

(1) 原油価格の上昇(ベースライン比で23年は30%、24年は15%高い)
(2) 中国の不動産部門(ベースライン比で固定資本投資が24年までに9%低下)

(3) 労働市場の混乱長期化による潜在生産量の低下(労働参加率低下とマッチング効率の悪化)

(4) 世界的な金融環境のタイト化(クレジットリスクプレミアムの上昇や通貨下落)


IMFはこれらのリスクが顕在化した場合、成長率は23年に1.1%まで低下するとしている(図表5)。また、インフレ率は23年に1.3%ポイント押し上げられる一方、24年は1.0%ポイント押し下げられるとしている。
 
最後に、今回の見通しでは特集として商品価格の動向および、食料品価格の分析をしている。

 

今回の特集では、国際的な食料品価格の上昇により、食料インフレは平均して21年に5%ポイントを押し上げられ、今後は22年には6%ポイント、23年には2%ポイント押し上げられる見込みであるとの推計を提示したうえで、国際価格上昇による影響は、低所得国や貿易の開放度が高い国で大きい点を示している。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年10月12日に公開したレポートを転載したものです。

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