【スリランカ経済危機】国民に海外出稼ぎを奨励。昨年より「約28万人増」にパスポート発行 スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より(写真:by ROSHANI FERNANDO)

スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

家やアパートは今や贅沢品に…

スリランカは、外為危機による経済収縮で雇用が失われ、国内の給与が下落、国民を海外に派遣して稼いでもらうために、あらゆる資源を活用する動きを急ピッチで進めている。

 

また、IMFとの取引に向け、外為不足を引き起こす通貨印刷を減らすため、すでに金利と税金の引き上げを行っている。債務不履行に陥った島国(スリランカ)は、債権者(IMF)との債務再編協議の初期段階にあり、IMFとスリランカ間における29億米ドルの取引が承認されるためには、この協議内容に同意する必要がある。

 

スリランカは現在、国内外でのドル収入を増加させるために、いくつかの小さなステップを踏んでいる。金曜日、労働・外国人雇用省は「グローカル・フェア」と題し、国内・国外におけるスリランカ人の雇用機会を紹介する就職フェアを開催した。

 

「私たちの省は、国内における若者の雇用や外国人労働者への誘導など幅広いサービスを提供し、外国人労働者や地元労働者が直面する問題の解決策を与える責任を負っています」と、マヌーシャ・ナーナヤッカラ労働・外国人雇用相は就職説明会で述べた。「そのため、私たちは村々を訪れ、人々にサービスを提供することにしました」。

 

政府はすでに、外国で得た収入を米ドルで送金するスリランカ人出稼ぎ労働者に対して、いくつかの優遇措置を導入している。それらの優遇措置には、家やアパート、電気自動車の輸入ライセンスなどが含まれるが、これらはすべて、今や贅沢品となってしまった。

 

スリランカの外国送金は、2022年の最初の8ヵ月間で47%以上減少し、22億米ドルになったが、これは主に中央銀行が今年3月までペッグ制と並行為替レートを維持していたことにより、移住労働者が正式なルートで収入を送るのをやめたためである。

 

「中央銀行がある程度の柔軟性を認めたとはいえ、経済危機後の銀行システムの崩壊が懸念される中、移民労働者の正式な銀行システムへの信頼が戻っていないため、送金は回復しなかった」とアナリストは述べている。

過去類を見ないパスポートの需要、スポーツ選手の「輸出」

移民局は、スリランカ人の出国が増えたことと、労働者が海外に職を求めていることもあり、今年のパスポートの「空前の需要」に対応するため、手いっぱいになっている。

 

同局は、昨年同期の10万5千人に対し、今年上半期はすでに38万5千人のパスポートを発行し、過去最高を記録している。そのため、国民にパスポート取得のために経理部長を直接訪問する予約を取るよう求めざるを得なかった。

 

今年出国したスリランカ人移民労働者は、今年1〜9月の間に22万1551人と昨年同期に比べほぼ倍増し、熟練・専門・未熟練のカテゴリーに属する労働者が過去最高の数字を示した。

 

外務省は今週、政府証明書の認証を含む領事サービスのための長い行列を解消するため、e-チャネリングサービスを開始した。同サービスは、手続きを簡素化し、スリランカ人の迅速な移住を支援するためのものである。

 

今週、ラニル・ウィクラマシンハ大統領は、中国が支援するスリランカの港湾都市の規制当局に対し、年間2,000米ドルの手数料で営業許可を取得するための官報を発行した。

 

ある通貨ディーラーはEconomyNextに対し、「ドル市場にはある程度の流動性が見られるが、経済危機以前の水準を下回っている」と述べている。

 

スリランカは、すでに米ドル節約のために一部の必需品を含む多くの輸入品を抑制、また商品、サービス、さらにはスポーツ選手の「輸出」を奨励している。

 

「3月には、スリランカ・ライフセービング(SLLS)のもと、4つの地区におけるプールと海岸の両方で120人の水泳選手を訓練し、一部の選手は海外市場向けに選ばれました」と、スポーツ省のアマル・エディリスリヤ局長は今週、コロンボで記者団に述べた。「将来的には、このプロセスを25の地区で実施し、さらに200人のライフガードを子供たちへの教育のために雇用することを計画しています」。

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    GGO(幻冬舎ゴールドオンライン)と提携するスリランカのオンライン・ニュース・サイト。独自の取材網を築き、スリランカの経済、金融を中心とした幅広いニュースを報じている。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

    https://economynext.com/

    著者紹介

    連載現地経済メディアの記事を独占翻訳! スリランカ金融経済&ビジネスの最新事情

    この記事は、GGOが提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2022年9月30日に掲載した記事「Crisis-hit Sri Lanka takes baby steps to boost dollar earnings」を翻訳・編集したものです。

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