コロンボ証券取引所。スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より

スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

 

8月9日以来の安値から回復

ブローカーによれば、スリランカ株は、投資家が下落した株を買い入れたため、下落傾向に逆らい、2ヵ月半ぶりの安値から回復したが、売買高は2ヵ月ぶりの低水準に落ち込み、センチメントは鈍かったという。

 

主要な株価指数であるASPI(All Share Price Index)は、1.02%(86.57ポイント)上昇し、8月9日以来の安値から回復し、8,602.97で取引を終えた。市場アナリストは、「市場が上昇したのは、投資家が大企業の株価を買い上げた以外に大きな理由はない」と述べた。

 

「9月の四半期報告書の発表後、Lanka IOC(燃料を小売するスリランカ唯一の民間組織)にも買いが入った」

 

市場では、1億100万ルピー(約122万4,914米ドル)の純外国人資金流入が見られた。今年に入ってからの海外からの純流入額は、180億ルピー(約2億1,830万886米ドル)に達している。

 

アナリストによると、政府が税制を強化するとの思惑がある中、投資家は様子見をしており、売り圧力が市場を押し下げているとのこと。より流動性の高いS&P SL20は2.12%(54.14ポイント)高い2,608.15で取引を終えた。

 

市場の売買高は12億ルピー(約1,455万3,444米ドル)で、8月9日以来最低となり、今年の平均売買高である32億ルピー(3,882万4,096米ドル)を下回る結果となった。昨年、大量の紙幣が増刷された際には80%のリターンを上げ、世界最高の株式市場の一つであったにもかかわらず、今月はこれまでに13.3%、年初来では29.6%の損失を出している。

貨幣増刷の弊害。しばらく弱気な相場続く

スリランカの多くの企業は、低コストの製品在庫とインフレ高騰に伴う値上げに助けられ、6月期に好業績を示した。それ以来、公共料金は上昇し、労働者は賃上げを要求して反発し始め、購買力に対する懸念が生まれつつある。一般に、経済(と企業)はインフレの加速が止まると貨幣増刷の弊害を感じ始める。

 

しかし、12月期の業績には懸念がある。増税提案を受けて、株式仲買人は、「この動きが第4四半期業績に打撃を与えると予想した投資家が様子見に転じたため、市場は弱気になった」と述べた。

 

投資アナリストは「金利が下がるまでしばらくは弱気な相場が続くだろう」と述べた。

 

「今月初めに公布された増税案を受けて、株価は下落傾向にあり、増税により一般市民の可処分所得が減少する可能性が高いため、企業は利益の減少を予想している」とディーラーは述べている。

 

Lanka IOCは指数を押し上げ、1株194.5ルピーで10%高で取引を終えた。また、Expolanka(スリランカの国際物流企業)は7%上昇し1株159.3ルピー、Royal Ceramics(セラミックタイルやバスウェアの製造を行うスリランカの持ち株会社)は4.8%上昇し1株32.7ルピーで取引を終えている。

 

この記事は、GGOが提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2022年10月26日に掲載した記事「Sri Lanka stocks regain on mild bargain hunting; turnover slumps to 2-mo low」を翻訳・編集したものです。

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