政策金利は9.25%に
■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は9月29日に金融政策決定会合を開き、政策金利を8.5%から9.25%に引き上げました。
■中銀による利上げは11会合連続、0.75%の利上げは6月以降3会合連続となりました。高水準のインフレに加え、タカ派姿勢を鮮明にしている米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに追随した格好です。
インフレ加速で次回会合でも大幅利上げは不可避か
■8月のメキシコの消費者物価指数は前年同月比で8.7%の上昇になりました。また、変動の大きい食品やエネルギーを除くコア指数も8.1%の上昇となり、22年ぶりの高水準に加速しています。
■加えて、米FRBが積極的な金融引き締めを続けていることから、弊社では次回11月の会合でも0.75%の利上げが実施され、政策金利は10%に引き上げられるものと予想しています。
今後の展開:経済は底堅く推移、利上げ継続でペソも堅調持続か
■メキシコの8月の失業率は3.5%と、引き続きコロナ禍前の水準を下回っています。また、同月の賃金上昇率は前年同月比で+11.5%と大きく上昇するなど、良好な雇用環境が消費や景気全般を下支えする状況が当面続きそうです。
■外国為替市場では主要通貨に対してドル高が進んでいますが、良好な経済ファンダメンタルズや中銀の積極的な利上げ姿勢からメキシコペソは堅調推移が続いています。今後も米FRBの動向を意識した利上げ継続が見込まれることから、通貨ペソは1米ドル=20ペソを中心とした堅調推移が続くものと予想しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ中銀は3会合連続で0.75%の利上げ…今後の展開は?【専門家が分析】』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社