年初来安値を更新
<金利上昇に伴う株価水準の修正>
■米国株式市場は大幅に調整しています。米国の利上げ予想が上方修正された他、英国の減税を中心とする経済対策の影響を受けて、米長期金利が上昇したことが背景です。10年国債利回りは28日に一時4%台に乗せました。S&P500種指数、NYダウは9月27日に年初来安値を更新しました。S&P500種指数は9月27日の安値更新により、年初からの下落率は▲23.5%となりました。
金利上昇に追いつけない水準調整
<水準調整は道半ばの感が拭えない>
■株価の水準調整は進んでいるものの、長期金利や利益との比較からは道半ばの感が拭えません。
■株式益利回り(予想株価収益率〔PER〕の逆数)から長期金利を差し引いて求めるイールド・スプレッドは、拡大すれば株価が割安と判断される指標です。イールド・スプレッドは、長期金利の急速かつ大幅な上昇に対して株価水準の調整が不十分であるため、拡大しておらず、割安圏に向かう気配がまだ出ていません。
■一方、足元の予想PERは15.4倍と2002年1月以降約20年間の平均値と同水準に位置しています。株価は大きく調整していますが、業績見通しの下方修正も続いており、今のところ割安感の台頭とまでは言えない水準です。
今後の展開:もう一段の調整も視野に
■米国株式市場は、引き続き長期金利と業績を意識した展開が続く見通しです。米国株式市場に割安感が台頭するための水準調整はまだ道半ばと思われ、もう一段の調整も視野に入れざるを得ないと考えられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『水準調整道半ばの「米国株式市場」…今後の展開は?【専門家が分析】』を参照)。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社