リフォームで600万円かけたのに、家屋の価値はゼロ!
実家じまいをすると決めたからには、売るにしろ貸すにしろ、もう少しきれいで使いやすいほうがいいと思い、2回目のリフォームを行ないました。浴室のユニットバスへの改修、一部フローリングの増し張り(既存の床の上に張り増すこと)、電気設備の交換などです。
かかった費用は約250万円。前回分と合わせると約600万円になります。これに父から家を継いでほしいと言われて以来の維持費やら東京と高松の移動費やらの負担を加えると、すでに1700万円近い金額を誰も住んでいない実家に注ぎ込んでいました。
このあとも不要な家財道具を高松市に依頼して大型トラックで処分した際の金額等もかかっているので、最終的に実家のために使った費用は1800万円以上になりました。 「これのいったいどこが芸能界一のドケチなの?」と思わず自分に突っ込みを入れたくなります(苦笑)。
いまから思えば、もっと早く手放していれば、使わずに済んだはずのお金ですから、まったくもったいないことをしたものだと思いますが、やはり父から託されたという思いが ありましたから、なかなか処分ということに考えが向かなかったのです。
2回目のリフォームが終わってしばらくした頃、マネージャーさんの営業努力で、「爆報! THEフライデー」(TBS)という番組が、空き家になった実家の処分に奮闘する私の姿をドキュメントで取り上げてくれることになりました。
番組のプロデューサーさんが九州のご出身で、やはり私と同じように実家の処分に困っていたことから、とても他人事とは思えなかったのだそうです。それを聞いて、同じような境遇にある人は、きっと日本中にたくさんいるはずと思いました。
番組の収録で、高松の不動産屋さんに査定してもらったのですが、「買取価格は築年数が古いので上物の価値はゼロ、土地の価値だけで200万円」と言われ、思わず絶句、倒れそうになりました。
2回のリフォームで600万円もかけたのにたったそれだけ? うそでしょ? ショックのあまり言葉を失くした私に、さらに追い打ちをかける言葉が……。
「更地にすれば買い手はつきやすいですけど、費用は500万円ほどかかりますね」
ひょえーっ、ご、ごひゃくまんえん!? まさに、「なんじゃそりゃ!」です。
松本 明子
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