税金について馴染みのない人が、これから副業を始めるためにどのような税金のルールと節税方法があるかを網羅的に、やさしく紹介していく本連載。俣野成敏氏・横田秀作氏の共著書『知らないと損をする税金の話――副業のプロと税理士がタッグで教えるプロフェッショナルサラリーマンの節税スキル 』(clover出版)から一部抜粋しお届けします。
暗号資産も「分離課税」になる?
税金の負担感が、暗号資産を保持する人たちにとってのネックになっていることは間違いありません。
これが株式ならば、譲渡所得として分離課税になるので、他の所得と合算せずに課税の計算がされます。ちなみに、申告分離課税の税率は、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率が適用されます。
税制は時代と共に変わっていくものなので、「いずれは株式と同様に暗号資産も分離課税になるのでは?」という見方もあります。ですから、それまで暗号資産の利益を確定しない、つまり法定通貨に両替しないで待つという判断もあるでしょう。
しかし、それはどうなるのかわかりません。いつまでも利益を確定しないことで、価格変動の波に呑まれる可能性もあります。これらの事情も踏まえたうえでの投資判断ということになります。
ただし、③の申告の煩雑さだけはどうしようもありません。その解決策としては、計算ツールを活用してはいかがでしょうか。計算ツールは国税庁のホームページに載っており、民間が提供しているものもあります。
しかし、シンプルな取引しかしていないなら自分で計算できますが、いくら計算ツールを使ったとしても、複雑な取引をしていたらやはり大変です。その場合は暗号資産に精通した税理士に外注して、負担とミスのリスクを減らしてください。
三流▼「バレない」と考え申告しない
二流▼分離課税になるまで待つ
一流▼各々の投資判断に基づき、計算ツールを利用するか専門家に外注する
ビジネス書著者
投資家
ビジネスオーナー
リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012年独立。フランチャイズオーナーや投資家として活動。サラリーマン時代に副業で出版した『プロフェッショナルサラリーマン』でビジネス書作家デビュー。「仕事術」「お金」「コンディション」「副業」などテーマは多岐にわたり、異分野で10万部超えを3度達成。著書累計は49万部。これからは、サラリーマンでも副業やお金の知識向上が不可欠と実感し、啓蒙に尽力している。ビジネス誌やweb メディア掲載実績多数。『まぐまぐ大賞』を6年連続受賞。
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税理士
神戸大学大学院機械工学専攻を修了後、富士ゼロックス(株)に入社。複合機の技術・商品開発に従事し、社長賞を2度受賞。モノづくりを通したコスト感覚を活かして、コンサル型税理士を志し退職。その後2年間、資格勉強に専念し税理士試験合格。法律と経営を学ぶためMBAを取得しながら実務経験を積み、現在はよこた税理士事務所の代表を務める。製造業と医業を中心に開業支援・税務顧問に数多く関与。その他、経営者向けの節税セミナーや副業サラリーマン向けの節税セミナーを実施。
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