(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 17,933.27 pt (▲1.18%)
中国本土株指数 ▼6,114.40 pt (▲1.32%)
レッドチップ指数 3,509.53 pt (▲0.95%)
売買代金808億1百万HK$(前日851億9万HK$)

米国に追随し、世界的に金利上昇の流れ

米国市場では米FRBによる積極的な利上げを織り込み、金利上昇に拍車がかかった。政策金利の動向に敏感な2年米国債利回りは、一時4.16%台をつけ、2007年10月以来の高水準に達した。米長期金利の指標となる10年米国債利回りは3.73%まで上昇した。

 

世界的に金利上昇が続いている。各国中央銀行は、米国に追随した形で、相次いで政策金利を引き上げた。英中銀イングランド銀行は前日、政策金利を50bps引き上げ、過去14年で最高の2.25%に設定、加えて量的緩和策で買い入れた英国債の償還と売却を進めることも決定した。

 

アジア各国でも、インドネシア、フィリピンがそろって50bps、ベトナムは100bps、台湾は12.5bpsの利上げを実施した。

 

為替相場では、金利差拡大観測から米ドルが続騰した。ドルインデックスは断続的に上昇し111.5台を突破、20年ぶりの高値を更新した。これまでに織り込んできたドル金利の上昇を超えて、さらに金利が上がる可能性に世界は身構えている。

香港は主要銘柄が軒並み下落も、金融株は逆行高に

23日の香港市場は3日続落し、ハンセン指数は節目の18,000pt割れとなり、2011年11月25日以来、11年ぶりの安値を更新した。同指数は3営業日で計4.5%下落し、他市場よりも下げがきつい展開が続く。ハイテク株で構成されるハンセンテック指数の下げはより厳しく、本日は前日比2.29%安、3営業日で計7.0%下落した。

 

主要銘柄が連日下げる展開となり、Eコマースの京東集団(9618)は3.3%安、アリババ(9988)は3.0%安、インターネットサービスのテンセント(0700)は2.8%安、フードデリバリーの美団(3690)は2.7%安だった。

 

ハンセンテック指数を構成するオンラインゲームの金山軟件(3888)は5.0%安、オンライン医療の平安健康(1833)は4.5%、京東健康(6618)は4.4%安と下げが目立った。そのほか自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は4.5%安、新興EVメーカーの蔚来汽車(9866)は3.8%安だった。

 

一方で、金融株は逆行高となった。香港の主要銀行が4年ぶりに金利を引き上げたことで、金利収入の改善期待から買われた。金融大手のHSBCは、香港のプライムレートを12.5bps引き上げ2018年9月以来となる5.125%に設定した。スタンダード・チャータード銀も12.5bps引き上げ5.375%としたと発表した。

 

香港行政長官が入境者に対するホテル隔離措置を26日に撤廃することを公表したことが材料視され、旅行業やチケット販売業者が物色され、東瀛遊HD(6882)は36.3%高、縦横遊HD(8069)は13.3%高、Trip.com(9961)は5.13%高で引けた。

 

中国本土株は上海総合指数は前日比0.66%安の3,088.37、CSI300指数は同0.34%安の3,856.02と3日続落した。中国当局による景気対策への期待が根強いものの、連日で元安が進んでいるなどの悪材料から上海総合指数は約4ヵ月ぶりの安値まで落ち込んだ。相場のモメンタムは相当に悪化している。

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

 

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