法人の不動産貸付事業――マネジメントに必要な経営指標

前回は、相続税対策のための法人化後、貸借対照表を作成するメリットを見てきました。今回は、法人の不動産貸付事業のマネジメントに必要な経営指標について説明します。

不動産貸付事業を行う場合の主な経営指標は6つ

マネジメントを進めていくうえでは、経営状態が計数として示される各種の経営指標を活用することも検討してみてください。

 

個人財産管理やその相続対策上必要な経営指標は以下で示すようにあまり多くないので、難しいことはありません。不動産貸付を事業として一定の規模で行っている人にとっては参考になるでしょう。

 

主な経営指標としては、下記のように①総資本経常利益率、②経営資本営業利益率、③自己資本当期純利益率(ROE)、④売上高営業利益率、⑤売上高経常利益率、⑥自己資本比率などが挙げられます。

 

①総資本経常利益率

使ったお金でどれだけの利益を得たかを分析する際に用います。経常利益÷総資本×100で求められます。

 

②経営資本営業利益率

資本を効果的に使っているかどうかを判断する際に使います。営業利益÷経営資本×100で求められます。

 

③自己資本当期純利益率(ROE)

自己資本を有効に使っているか否かを知るために用います。当期純利益÷自己資本×100で求められます。

不動産賃貸業界全体の経営指標と比較して分析

④売上高営業利益率

売上代金のうち、どれだけの割合が利益になっているかを分析する際に使います。営業利益÷売上高×100で求められます。

 

⑤売上高経常利益率

事業の収益性を把握するために用います。経常利益÷売上×100で求めます。

 

⑥自己資本比率

借入金に頼りすぎていないかどうかを知るために用います。自己資本÷総資本×100で計算します。

 

不動産賃貸業界全体の経営指標は、中小企業庁のオフィシャルサイトなどで毎年、公表されています。そのようなデータを参照しながら、自らの事業について経営分析を行うとよいでしょう。

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税理士法人ティーアンドエス 会長

1950年生まれ。1983年に埼玉県上福岡市で税理士登録開業し、1995年から川越市に事務所を開設。2010年、税理士法人ティーアンドエス設立。 埼玉県内で30年以上税理士として活躍し、特に都市近郊の地主に向けた相続税対策については知識・経験が豊富。

著者紹介

税理士法人ティーアンドエス 所長

1966年生まれ。平成元年、慶応大学経済学部卒業。その後、海外留学をし、一般企業にて国内海外の不動産開発にかかわる。 平成8年、税理士試験合格。平成11年、さいたま市にて税理士登録開業。

著者紹介

連載法人化で相続税から守る「地主」の財産

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『地主の相続財産は法人化で残す』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

地主の相続財産は法人化で残す

地主の相続財産は法人化で残す

小澤 豊,川本 泰正

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税をできるだけ節税したい、遺産分割で家族がもめてほしくない──。地主にとって相続は、頭の痛い問題です。 多くの地主の相続財産は、現金ではなく土地が大半のため、いざ相続になったときに預貯金だけでは相続税を支払…

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