2022年9月FOMCレビュー~かなりタカ派的な内容に【ストラテジストが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●予想通り、3会合連続で75bpの利上げを決定、注目されたのはドットチャートの大幅な上方修正。

●経済見通しは下方修正、パウエル議長も従来の見解を繰り返し、インフレ抑制の強い姿勢を示す。

●利上げペースも株価もデータ次第、株価の本格的な持ち直しには、やはりインフレ沈静化が必要に。

予想通り、3会合連続で75bpの利上げを決定、注目されたのはドットチャートの大幅な上方修正

米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月20日、21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標について、大方の予想通り、2.25%~2.50%から3.00%~3.25%へ引き上げることを決定しました。75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の大幅利上げは、6月、7月に続き、3会合連続となります。以下、今回の決定内容を詳しくみていきます。

 

まず、FOMC声明について、こちらは7月とほぼ同じ内容でした。注目されたのは、FOMCメンバーが適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」で、ドットの中央値が2022年末は4.375%、2023年末は4.625%、2024年末は3.875%となりました。いずれも6月から上方修正され、その幅は、順に100bp、87.5bp、50bpです(図表1)。今回新たに示された2025年末は2.875%で、長期(Longer run)は6月と変わらず2.5%でした。

 

[図表1]ドットチャートの年末中央値

経済見通しは下方修正、パウエル議長も従来の見解を繰り返し、インフレ抑制の強い姿勢を示す

また、経済見通しでは、2022年から2024年まで、実質GDP成長率は下方修正され、失業率と物価上昇率はともに引き上げられました(いずれも中央値、図表2)。なお、2023年の見通しの予想レンジをみると、実質GDP成長率の下限は-0.3%、失業率の上限は5.0%となっています。今回のドットチャートと経済見通しからは、景気を多少犠牲にしても、インフレ抑制のため利上げを継続していくという、強い姿勢がうかがえます。

 

[図表2]FOMCメンバーの経済見通し

 

そして、パウエル議長はFOMC後の記者会見の冒頭で、物価上昇率を目標の2%に戻すことに強く注力していると述べました。また、今後の利上げペースはデータや経済見通し次第であり、金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれ、ある時点で利上げペースを緩めるのが適切になるという、従来の見解を繰り返し、自身のメッセージは、8月26日のジャクソンホール会議以来変わっていないと明言しました。

利上げペースも株価もデータ次第、株価の本格的な持ち直しには、やはりインフレ沈静化が必要に

このように、今回のFOMCは、かなりタカ派的な内容となりました。そのため、9月21日の米国株式市場では、先行きの大幅利上げ継続と景気に対する懸念が強まり、ダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数はそろって続落しました。また、米国債利回りは短期ゾーンを中心に上昇し(価格は下落)、為替市場ではドルがほぼ全面高となりました。

 

なお、ドットチャートで示されたFF金利の水準は、あくまでFOMCメンバーの予想であり、当然ながら、実現しないこともあります。例えば、この先、米国の物価の伸びが想定以上に鈍化すれば、利上げペースはドットチャートで示唆されたものよりも、緩やかな軌道をたどることになります。利上げペースはデータ次第である以上、米国株もデータ次第であり、株価の本格的な持ち直しには、やはりインフレの明確な沈静化が待たれます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2022年9月FOMCレビュー~かなりタカ派的な内容に【ストラテジストが解説】』を参照)。

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

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    三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト

    旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。
    現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。
    著書に「為替相場の分析手法」(東洋経済新報社、2012/09)など。
    CFA協会認定証券アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。

    著者紹介

    三井住友DSアセットマネジメントは、運用や調査経験豊富なプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの情報発信を行っています。幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、年間で約800本の金融市場・経済レポートの発行の他、YouTube等の動画、Twitterでの情報発信を行っています。

    著者紹介

    連載【市川雅浩・チーフマーケットストラテジスト】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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