(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

8月の主要指標は市場予想を上回る

■中国国家統計局は16日、8月の主要経済指標を発表しました。鉱工業生産は前年同月比+4.2%となり、7月の+3.8%から伸び率が拡大しました。小売売上高も前年同月比+5.4%と、7月の+2.7%から伸びが加速しました。また、1~8月の固定資産投資は前年同期比+5.8%と、1~7月の+5.7%からわずかに改善しました。

 

■主要指標はいずれも市場予想をやや上回り、前月から持ち直しました。しかし、特に小売売上高は、昨年8月の新型コロナウイルスの防疫措置強化による反動で、ベース効果の影響が大きかったとみられます。

 

不動産市場は引き続き低迷

■一方、同日発表された8月の主要70都市のデータに基づく新築住宅価格は前月比▲0.29%と、7月の▲0.11%から下げ幅が拡大し、12ヵ月連続で下落しました。不動産開発投資(1~8月)も前年同期比▲7.4%と、前月の▲6.4%から下げ幅が拡大しました。建設が止まったマンションで購入者が住宅ローン返済を拒否する動きが相次ぐなど住宅市場が混乱しており、不動産市場は依然として回復の兆しが見えていません。

 

今後の展開:中国景気は当面停滞が続く

■8月の主要経済指標は市場予想をやや上回りましたが、不動産市場は引き続き低迷しており、中国景気は当面停滞が続きそうです。中国政府によるゼロコロナ政策の堅持や不動産への流動性規制は、習近平国家主席が強くコミットしている政策とみられるため、10月の党大会後も大幅な修正は難しいと考えられます。今後もこれらの要因が企業や家計のセンチメントの改善を妨げ、中国景気の足かせとなりそうです。弊社は、2022年の経済成長率見通しを+2.9%に下方修正しました。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国の「8月の主要経済指標」は予想を上回るも力強さを欠く…今後の展開は?【専門家が解説】』を参照)。

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

 

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