「意外な利用方法」で不動産の価値を引き出した例
不動産の「意外な利用方法」の提案によって、希望以上の価格で売買取引が成立した実例を紹介します。
●住宅建設には適さない、繁華街近くの広い土地のケース
この物件は、敷地面積はなかなかの広さで繁華街にも近かったのですが、立地的に住宅建設には適しておらず、買手を見つけるのに苦労しそうでした。
しかし詳しく調査をしてみると、周辺に大きな病院や飲食店などが多いことが特徴として判明し、「駐車場としての利用価値が高いのではないか」という結論を導き出すことができました。そこでパーキング事業関連に強い会社を買手候補に入れて営業をかけたところ、想定以上の高値で取引成立となりました。
●閑静な住宅地の土地を相場以上の価格で売ったケース
次は逆のパターン、閑静な住宅街の例です。近隣の似たような物件の取引事例から概算の売却価格は分かっていたのですが、売主は時間をかけてでも相場以上の価格で売りたいという意向でした。
そこで土地の真の価値をさらに見出すための綿密な調査を実施した結果、この土地の周辺には医療施設が少なく、「個人の医院開業に適しているのではないか」という付加価値を見出すことができました。移転や開業を検討中の医師や、医療関係の会社に声をかけたところ、土地の価値に魅力を感じ、売主の希望額で手を挙げてくれる買主を見つけることが叶ったのです。
このような不動産の真の価値を見出す発想というのは、売主サイドだけではなかなかなし得るものではありません。仮に発想できたとしても、不動産の情報をキャッチし、購入に踏み切ってくれる買手を呼び集める力がなければ、事例にあるような満足のいく取引は実現できないのです。
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アサミ:確かに、私がいくら「この土地ってこんなにすごいんです!」ってアピールしても、その土地を必要としている人に声が届いていなければ高値で売ることなんてできないものね。
家の精:数々の取引を経験しているプロ集団は独自の人脈を開拓していて、不動産を欲しがってくれる層にダイレクトに不動産情報を提供するシステムを構築しているんだ。このメリットは計り知れないぞ。
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プロ集団がそばにいることの心強さというのは、単なる知識や経験だけでなく、こういった「不動産の真の価値を見出し」「その価値を感じ取ってくれる層に情報を届けてくれる」といった点にも表れています。
露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営
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